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自立の定義をしてみよう!
先日、エンジェルウェーブの代表という方から連絡をいただきました。この組織は障害者の経済的自立を支援するものだそうです。ヤマト福祉財団の小倉昌男氏も障害者の経済的自立について自著でお話されていますが、現在の制度や支援体制は、障害を持った方が経済的自立を手にするにはあまりにお粗末だと思います。
失礼ながら、作業所でクッキーを焼いたりするだけでは社会的参加を促すことはできても経済的自立は難しいでしょう。
昨今の物価上昇により、作業所自体の運営が危ういという報道も目にします。
エンジェルウェーブさんの活動はそういった意味で本気で障害者の経済的自立を目指している組織といえます。
ご興味がある方は是非ご覧ください。
http://angel8.web.fc2.com/d.htm
さて、『自立』という話題なので、今日は利用者の『自立』について考えてみたいと思います。
いきなりですが、『自立』って何ですか?
・・・・・
一般的な健常者の自立というと、成人になったり、職に就くとかでしょうか??
では、利用者の自立は?
現在、介護業界に限らず、自立という言葉は「自分でできること」を表していると思います。もっと言えば「できる能力の有無」に注目して自立かそうでないかを判断しているといえます。
新規の利用者さんを訪問する時、アセスメントシートやパーソナルデータを収集しますよね?
歩行はできますか?・・・・・ハイ、自立。
食事は自分でできますか?・・・・ハイ、自立。
トイレは自分でできますか?・・・・一部介助。
ハイ、夜間はオムツですね。
コミュニケーションはとれますか?・・・・ハイ、認知症ね。中度ですね。
ケアマネさんから新規依頼が来る時も、利用者の各能力について自立か一部介助か全介助か、というのが一目でわかるような書式になっていますね。
これはあくまで必要な情報だと思います。
しかしながら、医療・リハビリに限らず、福祉業界においても、能力の有無でその人の自立度を判断し、できないと判断されたことはこちらで全介助したり、訓練で治そうとします。
医療業界で連綿と受け継がれてきた“健常者のような身体的自立”に少しでも近付けるためのアプローチが、急性期や回復期ではなく、生活期・安定期である介護業界で行われてきたのです。今も行われています。
違うでしょ?
自立って何ですか?
と聞くと、「自分で決められること(自己決定)」と言う人もいます。
あっているようで違う気がします。
これだと自己決定ができない人は自立していないことになります。
「自分でできることは自分でやり、できないことは援助を求められること」と言うのもよく聞きます。
これはなかなか良いと思いますが、援助を求められなければやはり自立でないのか?という話になります。
これら2つの案は医療的考えから一歩出てきたところで先進的といえますが、やはり「自分で“決められる”」とか「援助を“求められる”」というその人の“能力”に着目していると思います。
というか、そもそも自立ってしなきゃいけないの?
と考えると、だんだんと老いて、障害や病気が進行し、最後は何もできなくなる(能力が失われる)人たちが、自立できるようにと、押し付け的に自立を目指させることはどうかと思います。
まぁ、少しでも失われる能力がゆっくりと進むようにアプローチすることは大事ですが。
自立は良いことだ、とすることは時に押しつけであり、強制的であり、高圧的になるのだと思います。
では、私たち介護職は何を目指して支援するのか?
うちの職場で大真面目に利用者の自立について考えました。そして出しました。
『自立とは本人や家族、周囲の人々や専門職が見る、その人らしくいられるであろう依存状態』
これが、自立ではないかという考えに落ち着きました。
健常者を仮に100とすると(100じゃない健常者もたくさんいますがf^-^;)、要介護の利用者さんは少なからずこの数字が100〜0の間を行き来しています。
その中で、本人だけでなく、周囲の人々が総合的に判断する“その人らしくいられるであろう”依存状態が自立なのです。
仮に本人が全部自分でやりたいと希望しても、専門的見解、家族の希望からある程度の支援が必要であれば、支援しなくてはなりません。
様々な要因が複雑に絡み合っている中から、よりその人らしくいられるであろう依存状態を提供することが介護職の役割だと思います。
依存は悪いこと?廃用症候群が進んでしまう?
私もそう思っていましたが、それはその人らしくいられるであろうという判断が曖昧だから一律に、そのような一見正しい考えを盾に自立を強要する状態を作ってしまうのだと思います。
「着替えさせてください」
『全部やってもらうと、筋力が衰えて自分でできなくなってしまいますよ。自分でできるところは自分でお願いします』
よくある光景です。介護職の言うことが正しい時もありますが、利用者さんの訴えが切実で対応すべき時もあります。自分でやらせようとして、利用者さんの中で関係性の障害がおこってしまうことがあるかもしれません。結果的に他者へ心を閉ざし、よりその人らしくない状態になってしまうかもしれません。
その人らしくいられるであろう状態は常に変化します。その時に一律に自立を強要すれば、その人の他者や社会への関係性断絶になってしまいます。
今現在のその人の依存と自立の度合いを適宜見定めながら“その人らしくいられるであろう状態”を提供できるようにしたいものです。
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Category 介護の専門性とケア論
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