介護の専門性新提案の利用者さんの役割と専門性のリンクについて
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利用者さんの役割と専門性
夏風邪をひいておりました。暑くて夜中にトイレに起きて無意識に窓を全開にして2度寝。朝には冷えた体と火照った頭の出来上がり。治まったころに風邪菌の結膜炎になってしまう始末・・・みなさんお気を付けください。
さて、デイとかグループホームで働くと利用者さんに“役割”を持ってもらうことの大切さを耳にします。
特に認知症の方に役割を持っていただくことは有効だと聞きますね。
女性の利用者さんに昼食の手伝いをしていただいたり、机を拭いていただいたり。。。
難しいのは男性利用者。大正前後生まれ男性なんて家事活動をやる方なんてあんまりいないですね。ジッと仏像のように出てくる食事を食べて、片付くのを見ているだけ、という方少なくないですね。
そんな男性には男性らしい役割を。
施設で使っている備品の修理や、廃材を壊していただくとか。男らしさを頼りにお願いすると結構やってくださいますね♪
さて、役割といってもただやっていただくことを目的としてはナンセンスだと思います。
なぜその人にその役割を担ってもらうのか?その人の情報をしっかり把握し、その目的をしっかりと介護職が共有した上で実行に移さなければなりません。
女性だってお手伝いさんがいた家の人だったら家事活動なんてほとんどされないでしょう。
男性だって家事活動が好きな方もいるでしょう。
その人の歴史や性格、嗜好、現状、色々な情報を元に役割ケアは提供されるべきだと思います。
そして、担っていただいた役割に対してしっかりと感謝や称賛、承認、他者との結びつけ等を行うことが大事ですね。ただやってもらいっぱなしではもったいないし、利用者さんも“役割”として認識できずに、そのうち拒否されてしまいます。
さて、役割の重要性は誰もが知るところですが、ここで問題が!
何もできることが無い人はどうするの?
この疑問が浮かぶ方には2つ考えていただきたいのです!
ひとつは、「本当に何もできることはないの?」
要介護の高齢者ですから確かにできることは少なくなっているかもしれません。片麻痺、パーキンソン、車いす、認知症‥何かする役割を持っていただくのは難しいかもしれません。
しかし、おそらくそれは健常者がやってできることを基準にしているのではないでしょうか?
片手だから、パーキンだから、歩けないから、認知だから・・・・
それこそ、先ほどのその人の様々な情報を把握していないことですし、介護職の力の限界を自ら披露しているようなものです。
様々な障害や病気を持っていても「できるように」介護職が環境を整えて利用者に提供すれば良いのです。工夫次第でアイディアは無限です。
ずっと役割の無かった方の意外な特技が見つかったり、できないと“こちらが”決めつけていた方が何か役割を担っていただいた時は本当にうれしいものです。
また、役割をお願いしても拒否されるのは、介護職の誘い方、お願いする状況、利用者さんの心身の状況などに配慮が足りなかったということが多いと思います。
利用者さんでは無く介護職側に原因を探してみましょう。
さて、もうひとつ大事なこと。何もできることが無い・・・正確にはできる状態ではない時をしっかり見極めましょう。
ほとんど身体能力として何も役割が担えない、または心理状態がそんな状態ではない時など、何かをしてもらう役割(doing)が不適当な場合の利用者さんもいます。
そんな時は存在してもらう役割(being)を担っていただくのです。
Aさんは車椅子の女性。「何もできない。みなさんに申し訳ない。早く逝きたい」が口癖のような方です。
しかし、彼女も昼食の食器を拭いたり、テーブルを拭いたりdoing役割を担える方です。私たちは彼女のできる最大限の役割を担っていただきました。
しかし、ある時Aさんは深くうつむいて無言のため息を漏らす状態でデイに来たことがありました。
スタッフや周りの利用者さんからの声かけにも応じず「もう死にたい・・・」と力なく消えるような声が漏れるという状態でした。
後から情報を集めると、この時はご家族の方が体調不良で主介護者も精神的にまいっている状態であり、Aさんは家族の中で孤立し、その関係性が非常にもろい状態の時だったのです。
Aさんの想いを受け止めようと環境を整えたり、心情を吐露しやすく配慮しましたが、思いのほかAさんの心は傷ついていました。
そして、私たちはBさんと二人きりになれる環境を整えたのです。
Bさんは穏やかで小柄で控えめな方です。自ら積極的にお話される方ではありませんが、家庭的なお母さんでとても優しい方です。
Bさんは机に突っ伏しているAさんを見て「どうしたの?」と話しかけました。
遠目から見ていましたが「死にたい」というAさんの言葉にBさんも共感し「あたしもね・・・」と身の上を語り始めていました。
30分も続けるとAさんが上体を起こして、Bさんと顔を向け合って話していたのです。
1時間もするとAさんから笑みが見られるようになりました。
すごい!!
この場合、BさんはAさんと気持ちを共有する、共感する、励ます、慰める、癒す等のdoing役割を担ってくださいました。
AさんはそんなBさんの人間性やdoing役割を引き出すbeing役割を担ってくれたのです。
何もできない状態の方がしっかりと役割を担ってそこに存在してくれたのです。
高齢者同士がエンパワメントし合い、お互いの存在と生を実感できるような瞬間でした。
直接的な役割はAさんBさんによるものですが、介護職はこの両者を橋渡ししたり、環境を整える役割を担いました。ここに役割を持っていただくための介護職の専門性が発揮されているのではないでしょうか?
色々な工夫を重ね、時には失敗しながらも、常に利用者さんのためにできる最大限のことを介護職は専門性として担っていきたいですね。
役割についての介護職の専門性でした♪
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Category 介護の専門性とケア論
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