これからの介護に必要なスピリチュアルケア

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これからの介護に必要なスピリチュアルケア

前回の記事で私の提案する介護の定義を・・・

『「三大介護(排泄・食事・入浴)」を中心とする人間の生活基礎を支え、その人のスピリチュアルペインをケアし、人としての存在意義を支える人格支援を実践する人間福祉の一つ』


そしてその介護実践として・・・

『絶対的に違う他者でありながら、自分と全く変わらない唯一無二の存在であるその人と相対し、その人の生きてきた人生を過去・現在・未来の一連の物語としてとらえ、その終末に向かって、その人が自分らしくいられるための関係性と自分の存在価値を見出せる役割をプロとして支援し、また、共に老いや障害・疾病の進行、死に対する葛藤や苦悩に向き合っていく』

と書きました。



これまでの介護とは、人が困っていることの手助け(help)、より良い生活(QOL)、笑顔や楽しさ(happy)、健康・能力維持(health)というものが求められてきたと思います。
これは、医療・保健・看護という専門分野の重要性や健康志向による流れから来るものだと思います。

しかし、これらはあくまでも健常者を中心とした考え方であると思います。これらの健常者中心の考え方、つまり、「誰もがhelpを使って健常者のようにhappyでhealthでQOLを送る」という考え方が最も良いことであると位置づけ、そこから漏れた障害者や高齢者、要介護者もこの考え方に当てはめてあげることが良いことであるという世の中の流れであったと思うのです。


しかし、人は老います。能力、役割、関係性を手放さなければならなくなります。そして、死にます。それは誰しも否定はしないでしょう。

にも関わらず、私たちは上記の考えに当てはめようとします。それが良いことだという考えなのです。


だから、要介護者たちは葛藤し、苦悩するのです。


「自分は、老いて何もできない」
「昔はできたことができなくなった」
「大切な人たちはみな先に逝ってしまった」


こんな想いに対して


「笑顔になれるように、機能訓練をして、頑張って、少しでも自立して生活できるように・・・・」



私たちは、葛藤して、苦悩している人たちに対して、「何かしてあげる、あげる」ということに集中してしまっていたのではないでしょうか?


もちろん「helpを使って少しでもhappyでhealthでQOLを送る」ことは大切です。しかし、少しずつ健常者と世の中が良しとする基準から遠ざかっていかなくてはならない人に対して、共に苦しみ、悩み、涙することで、その人の存在(being)を支えることこそ介護職の本当の仕事なのではないでしょうか?



すなわち、様々な喪失体験を重ねて健常者の常識から外れゆく人たちの精神的、生命的、魂的痛み『スピリチュアルペイン』に対して、その人の「すること(doing)できること(yuo can)持っていること(having)」を見て評価するのではなく、健常者の常識から外れてもなお、あなたは『存在する(being)』だけで、価値あるのです。というケア『スピリチュアルケア』をすることが介護職の大切な専門的仕事なのです。


一言でいえば「健常者の常識から外れても、あなたは大切な存在の“人”である、という摂理からは決して外れないのですよ」ということをその人に感じていただくことです。



もともと、スピリチュアルケアは末期がん患者のホスピス等、ターミナルケアの一部として考えられ発展してきたものです。死を間近にした人が「自分の人生は何だったのか?」「死の恐怖」「自分の存在意義」といった精神的、生命的、魂的痛みをケアするものだったのです。

しかし、ターミナル期でなくても、健常者の常識から少しずつ外れてスピリチュアルペインを抱える人が多く存在するのことは、現場にいらっしゃる介護職なら日々感じているはずです。しかし、そんな人たちもひっくるめて健常者の常識を基盤とした介護をしてきました。


しかし、様々なところでそういったケアだけでは対応できなくなってきたのです。これから団塊の世代が高齢者となる時代がやってきます。健常者の常識に染まった人たちの抱えるであろうスピリチュアルペインは落差が大きい分、抗おうとする分、認めようとしたくない分、深くなることが予想されます。


私たち介護職はこういった意味でも、これまでの健常者の常識を基盤とした介護からスピリチュアルケアを基盤とした介護を専門の生業としてさらなる意識、質の向上に努めていかなければならないと思います!




kinsanはよさこいにハマって楽しく踊っています♪左下らへんにいますがわかりませんね(笑)こういったことができなくなる方々のペイン(痛み)を想像すると、それだけで辛いですね。
集合写真1.jpg










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この記事へのコメント
こんにちは。現在カナダの学校にて介護士を目指し勉強しています。まったくの初心者なので学ぶものすべてが新しく、驚くことばかりです。驚くといってもポジティブなことだけではありません。老化現象、特に認知症はかなりショッキングでした。人間の最期をどのように迎えるか(迎えさせるか?)真剣に考えてる途中このサイトに出会いました。 来週から実習が始まるので自分なりに考え実習に臨みたいと思います。
上記のハイライト部分、”大切な存在の人として”はまったく同感です。
Posted by SARA at 2009年04月07日 05:49
SARAさんコメントありがとうございます!

カナダで介護士を目指されているということで、日本とは違った視点を養える素晴らしい環境だと思います。

海外ではスピリチュアルケアへの理解や実践が進んでいます。WHOによって世界基準にまでなっているもので、医療福祉業界においては必ず必要になるものです。

しかし、日本ではスピリチュアルという概念があまり無い上に、理解もしにくいという国民性があるます。私もこれを伝えることに苦心していて現在頑張っている最中です。

SARAさんがカナダでの学びを持って日本にいらっしゃるときに、少しでも日本の介護が変わっているように頑張りたいです!!

また遊びに来てくださいね!実習頑張ってください!
Posted by kinsan at 2009年04月07日 06:25
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