BPSDという言葉について

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BPSDという言葉について

10月から認知症介護実践者研修を受けています。様々な方面から多角的に認知症の人を支援していこうということを学ぶ研修です。


さて、私はこの研修を受けるまではあまり気に留めていなかったのですが、最近認知症のいわゆる『周辺症状』を『BPSD』と呼ぶ人が多いです。
研修で講師をされる人たちのほとんどが『BPSD』を使っています。これが認知症介護の最先端の人たちが使う言葉です。



さて、そもそものそもそもですが、認知症についてのおさらいです。

認知症と診断された人の全てに現れる症状を『中核症状』と言います。中核症状は「記憶障害、見当識障害、失認、失行、判断・理解力の低下、実行機能障害」などがあり、認知症と診断された人は必ず、この中核症状のいずれか、もしくは複数が見られます。

これに対して、この中核症状のある人が環境やケアなどの人的影響によって二次的に発生するのが『周辺症状』です。認知症の一般的なイメージはこの周辺症状ですね。「徘徊、不潔行為、暴力、せん妄、妄想、不穏、奇声」などでしょうか。



さて、この中核症状と周辺症状のうち、後者が『BPSD』と最近呼ばれるわけです。

ここでいう『BPSD』は≒『認知症に伴う行動障害と精神症状』という意味です。

周辺症状は「徘徊、不潔行為、暴力」などの“行動”としてあらわれるものと、「せん妄、妄想、不穏」などの“精神状態”としてあらわれるものととらえることができます。

この行動障害と精神症状を総称したものとしてBPSDと呼ばれるようになったのです。



私はこの『BPSD』という言葉にあまり馴染めません。横文字だからというのではないですよ(笑)


認知症の周辺症状というのは、中核症状に加えて環境やケアなどに影響を受けて出現するものです。逆に言えば環境やケアをその人の安心する、落ち着くものとすれば抑制されるものです。
このことは介護業界のみならず、世間一般にも認識が広まってきていて、安心できる場所や、人、関係性などが認知症ケアに良いとされて、グループホームなどが出てきました。


結論を言うと周辺症状は環境とケアを整えることで軽減できるのです。


しかし、BPSDは『行動障害・精神症状』というとらえ方です。行動に障害があるとか、精神状態にあるという言い方があまり好きではないんですね。私はこれでは認知症の本人に対して非を見出すような言い方に聞こえるのです。本当はその人を取り巻く環境や私たちのケアが不適切だから周辺症状が表れているかもしれないのに、それから目をそらしているような印象を持つ言葉なのです。

それに対すると、中核症状に付随して表れてくる『周辺症状』という言い方の方が中性的で公立的な言い方だと思います。



三好春樹氏が『認知症』という呼び方に自分の意見を述べて、あえて今でも『痴呆症』と呼んでいるという話を聞きました。それは単なる時代への反発ではなく、氏の信念や考えが根付いたものでした。

私もそういう思いを持つ言葉は初めてですが、時代の流れである『BPSD』という言葉を使わず、あえて『周辺症状』という言葉を使い続けたいと思います。



あと、徘徊とか妄想をBPSDと呼ぶというのは、なんだかカッコつけてそういう問題行動と呼ばれるものから目をそらすための一助にしようとしている気がしてなりません。



介護はどうしても他の医療や、看護、精神科、心理学などから用語を持ち込みたがる傾向があるような気がしてなりません。
介護から生まれる介護用語が広まると良いですね〜



ん〜、やっぱり横文字が嫌いなのかなf^-^;

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Category 認知症

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この記事へのコメント
同感で〜す。「周辺症状」っていい表現だと私も思う。「周辺」が、なんとなくアバウトな感じでイイ。周りの皆がおおらかにふところ深く援助することで、自宅でもちゃんと生活は送れる。
「BPSD」というと専門家ががっちり対処しなくてはならない症状みたいに感じる。
ところでkinsanも勉強がんばっていますね。知識を得て自分の頭で考えていく姿勢、すごいです。
Posted by ぐう at 2008年12月29日 17:55
ぐうさんコメントありがとうございます!

かつて「問題行動」と呼ばれ「周辺症状」と呼ばれ「BPSD」と呼ばれ・・・

用語の変化って、基本は“差別”や“偏見”を無くそうというところから来ると思うんです。

ただ、言葉を変えるだけでは差別はなくならないし、私たち介護職は、他の専門職と違って、専門的でありながら、ただの人としてのユニークさが相手への大切な影響になるんですね。そのユニークさを取ってしまって、専門的だけであると、次第に管理的になり、結局差別的なものが残ってしまうと思います。。。

おほめいただきありがとうございます!まだまだ未熟者です。こんな私を支えてくださるみなさんや利用者さんなどと一緒に2009年も頑張りますのでよろしくお願いします!!

コメント本当にうれしいです♪感謝♪
Posted by kinsan at 2008年12月29日 20:09
 はじめてコメントします。私はまだこの仕事について1年です。職場はグループホームで9人の入居者様がいらして一人だけ症状の進んだ方がいらっしゃいます。他者のドアを開け中に入ってしまったり・・ 混乱が収まるまで変な眼でみられがちです。どういった対応をしていけばいいのか・・・ 日々 謎は深まるばかりです。ヾ(*ΦωΦ)ノ kinsan のアドバイスいただければ うれしいです。
Posted by ニット at 2009年06月13日 22:32
ニットさんコメントありがとうございます!初コメ嬉しいです♪

私もGHに勤めていたことがあります。ニットさんと同じく一人だけやたらと症状が進んでしまった方がいらっしゃり、その人一人によって全てがかき回されるという状態でした。

結果としてはその方の入院という形で一応、丸く収まった(?)のですが・・・

認知症は私も今勉強中ですが、その症状や状態によって住み分けをしないと良い介護が展開できないのかもしれません。認知症と一言で言ってもその内容や症状には大きな違いがありますからね。


ま、今ニットさんの施設にいらっしゃるその一人の方をどうしたらよいか?ということが一番気になるところだと思います。

やはり周辺症状、BPSDに一番悩むところだと思います。これはその人の状態によって対応が異なってきます。しっかりとしたアセスメントや特徴に合わせた介護を職員、提携医療機関と連携してやっていかなければますます状態は悪くなっていくでしょう。
生活者視点で介護をする、ということが基本になると思うので、できるだけその当たり前の生活に近付けていけるようなアプローチ・・・これしかないように思います。
Posted by kinsan at 2009年06月14日 22:22
確かに。
問題行動か認知障害でいいと思う。
Posted by 陸奥雷 at 2011年10月29日 11:55
自分は通所系で9年(3回の異動あり)働いています。
今実践リーダー研修が終わりBPSDについて調べるため(知識不足で恥ずかしい…)検索してたまたまここにきました。
ここにこれてよかったです。
分かりやすい解説とkinsanさんの思いが伝わってきました。
自分も聞いた話ですが「徘徊」とは意味もなく歩き回ることだということを教わり、認知症の方は意味があって歩いているのだから「徘徊しているわけではない」と聞いて「徘徊」という言葉は使わないようにしています。
「周辺症状」に対応するのではなくその「原因」を探りその原因を解決する支援が大切なんですよね。
うちは職員の共通理解が薄く良質なケアが十分に提供できず…今回の研修報告に自分の思いを乗せながら作成しているところです。
本当にここにこれてよかった。
お互い今後もがんばっていきましょう。
こうゆうの(コメントするの)初めて(笑)
Posted by ゆぱ at 2012年10月21日 10:04
陸奥雷さん、コメントありがとうございます。
なんだか、最近はまたBPSDという言葉を使わないような流れになってきているようですね。
言葉も常識も日々変化しますね。意味を踏まえたうえで使えるようにしたいですね。
Posted by kinsan at 2012年10月22日 07:34
ゆぱさん、コメントありがとうございます。

実践リーダーを受講中でしたら、認知症のお勉強をたくさんされているのですね。私はリーダー研修は受けていないので、私のほうが不勉強です。

この記事を書いたのはもう4年前になりますね。こうして記事にお越しいただき、私自身もかつての自分の考えを振り返る機会をいただけました。
本当にありがとうございます。

今後もがんばってまいりましょうね!
Posted by kinsan at 2012年10月22日 07:37
今年度から介護認定審査会に参加するんですが、BPSDの意味がよくわかりました。ありがとうございます!
周辺症状と言う表現、とても納得できました。
これからこの表現を使おうと思います。
Posted by ぐんそー at 2013年04月14日 14:00
ぐんそーさん、私が昔書いた記事にコメントをありがとうございます。

認知症の中核症状に対して、様々な状況や本人の状態、人的環境等によって引き起こされるものを周辺症状と呼んでいたのは一応、かつての話です。今はBPSDが主流になってはいます。この表現も近年ふさわしいかどうか問われているようですが。

ですから、周辺症状は別に私が考えたオリジナルの言葉などではありません。
もし、表現を使おうとされるのであれば、ちゃんとした学びをした上で、ご自分の言葉として使用されることがよろしいかと思います。

介護認定審査会、頑張ってください。
Posted by kinsan at 2013年04月15日 00:11
初めてコメントします。
小規模に勤務しています
BPSDについて4月に研修参加、会議で報告することになりまし。
今までも自分なりに本を読んだりして理解はをしているつもりでいましたがそれをパートさんなどにどう伝えるか…理解してもらえるか悩んでいました、はっきり言って勤務している半分はほとんど認知症についての対応を理解しておらず、ご家族様からも苦情が来ています。
理解できていない職員に横文字?(BPSD)と説明しただけで敬遠されます。
さて…とどう伝えようか…と検索してここにきました、良かった(*^^)v
「周辺症状」とい考え方使い方は私自身にもしっくりきて自身の言葉で、伝えることが出来るとおもいます。ありがとうございました。

Posted by きらきら at 2013年05月18日 12:03
いつもならばスルーしちゃうのですが今回はちょっとだけ書かせていただきます。

「BPSDは『行動障害・精神症状』というとらえ方」と書かれていますが違います。
BPSDは「認知症の行動・心理症状」と訳されます。
周辺症状だけとらえられると何に対する周辺症状なのか?と言われる場合があります。例えば自閉症や精神障がいなどが元にあって周辺症状が現れることがあるという考え方です。

それに対してBPSDは認知症の方の行動や心理によって起きる症状という意味ですから
「行動障害」でもなく「精神症状」でもありません。

特に「行動障害」は全く意味が違いますし、その言葉を使う方は利用者の気持ちに寄り添うことができない考え方だと言われています。

正直私もBPSDという言葉は好きでなくあなたと同じ周辺症状あるいは「認知症の周辺症状」と言っています。

Posted by at 2013年05月24日 16:43
きらきらさんコメントありがとうございます。

前の方のコメントにも書きましたが、周辺症状は私のオリジナルの言葉ではありません。
私が学校で習った頃は周辺症状という教育が一般的でした。それが今ではBPSDという言葉になっていますね。
このブログ記事はそうした周辺症状からBPSDという用語に変わる過渡期に書いたものだと思います。他の文献などを調べて、しっかりとBPSDの意味を抑えてお伝えください。よろしくお願いいたします。
Posted by kinsan at 2013年05月31日 11:21
匿名の方へ、コメントありがとうございます。

記事の至らない点に対して訂正いただけるコメントありがとうございます。

この記事は5年ほど前に書いたもので、私も当時この記事を書いた時に、何を引用・参照して上記のように記載いたか覚えておりません。引用元も書かずに未熟な文章だったと反省しております。

現在では、BPSDに関する訳やその課題について、匿名の方がご意見くださったとおりです。
脳血管性認知症の方など、この訳に当てはまらない症状に対して、この表現は不適切ではないか?という意見も出ていて、BPSDという言葉が見直され始めていますね。

また今後、使われる用語が変わってくるかもしれませんね。注視したいです。

ありがとうございました。
Posted by kinsan at 2013年05月31日 11:26
通りがかりのものです。
気付いたことがありますので、最小限の事だけ申し述べます。
レビー小体型認知症において幻視という症状は同疾患の重要な中核症状であるため、幻覚を認知症の周辺症状と表現することは不適切と理解しております。
Posted by 匿名希望 at 2014年07月06日 17:02
匿名希望さん、コメントありがとうございます。

幻視がレビー小体型認知症の重要な中核症状として私も理解をしております。

ただ、幻覚は認知症の原因疾患によっては中核症状にも周辺症状にもなり得るものとして私は理解をしております。また幻視も原因疾患によっては中核症状にも周辺症状にもなり得るものかもしれませんね。

いずれにしても、アルツハイマー=認知症という時代は古いことであり、この記事を書いた六年前とは私も含めて認識が変わってきているものと思います。

改めてこのテーマについて書かなければと思う次第です。

ご意見ありがとうございました。
Posted by kinsan at 2014年07月06日 18:59
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