『寄り添う』ためにはどうするか?A

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『寄り添う』ためにはどうするか?A

2009年9月4日


前回の記事はこちら『寄り添うとはどういうことか?@』


寄り添うという抽象的な言葉の意味は『味方』になるという終わりでした。


では、味方とは?考えていきましょう。



辞書的な意味合いで言うと『味方』とは「自分の属する方、その仲間。
自分を支持・応援してくれる人」ということです。


私は自分のチーム、助けてくれる人、等を想像していました。しかし、単純にピンチに加勢してくれるだけが味方ではありませんね。

落ち込んだ時、辛い時、一緒に飲んでくれたり、真剣に話を聞いてくれる人も味方です。
自分が嬉しい時、勢いに乗っている時、成功した時、心から一緒に応援したり、喜んでくれる人も味方です。


想像するに、両親が一番当てはまります。


味方とは、どんな時でも、自分にとって必要な、いたら嬉しい存在なんです。あなたもそうではありませんか?

孤立無縁がいいという人もいますが、人は誰しも関係性の中で生きているのです。その中で自分を支持してくれる味方の存在はより良い人生を歩むうえで必要不可欠と言えるでしょう。




では、具体的にどうしたら利用者さんの味方になれるでしょうか?




なかなか心を開かず、表面的な関係だったUさんとのお話から見ていきたいと思います。


Uさんは一人暮らしの女性。統合失調症でかなり神経質な方でした。気に入らないことがあると、怒鳴る、物を投げる、ヒステリー・・・訪問する時は気が重かったものです。


パートさんがみんな行くのが嫌で、仕方なく私が訪問していました。


その相談を先輩上司にした時『kinsanはそのお客様のお宅に訪問するのが嫌なんでしょ。それは伝わってるよ。だからキミがお客様を信頼しなきゃだめなんだよ。何も変わらないよ』

そう言われたことから、少しずつ自分の態度を意識するようにしたと思います。




ある時、私はUさんのお家に訪問した時に、Uさんの若い頃の家族写真を見つけました。


『Uさんのお若い頃の写真ですね』


「勝手に見ないで!!」


と怒鳴られてしまいました。


『ごめんなさい。申し訳ありませんでした。。。。でも、Uさんの事が少しでも知れて嬉しかったです。今度私の写真も持ってきます。もし気が向いたらお若い頃のお話を聞かせてください』


こんなことを言った記憶があります。


それから数回訪問したある日Uさんが突然若い頃の写真を見せてくれました。



『これが主人の会社の保養所に家族旅行へ行った時のよ』



それからUさんは少しずつ、自分の身の上話をしてくれました。離婚したこと、引き取られた子供とずっと会えないこと、病気を抱えながら生活し、世間に騙されて苦労したこと。。。

Uさんは慢性関節リウマチも患っていました。私はUさんを知るにつれて、病気への勉強もしました。


Uさんが実の子供に死ぬ前に会いたいと思っている本当の願いも知ることができました。


現状から考えるとUさんがお子さんとお会いすることは叶わないことだと想像できました。それはUさん自身が一番分かっていらっしゃる事でした。

私はそれを踏まえた上で、それでも子供に会いたいという想いを抱えているUさんを応援しました。時にはUさんの意に反するようなことも伝えました。


以前は拒否されていた整容や口腔ケアにも応じてくれるようになりました。


Uさんの変貌ぶりに当初困惑しましたし、単純に写真をきっかけに仲良くなった、と思っていました。


しかし、ある日Uさんは次のような言葉をおっしゃいました。



『あなたは若いからかしらね。いい人よ。信用していいと思ったわ。私のことを知ろうとしてくれた。ありがとう』




当時の私にはよくわかりませんでしたが、Uさんへの私の接し方に『味方』になるヒントがあったように思います。



ポイントは3つでしょうか。



@相手を理解し続けようとする

相手を完全に理解することはできません。内に秘めたものは誰しも簡単には見せないものです。人によっては見せたくない人もいます。

それによって、表面的な付き合いや言動、私たちが困難ケースと呼んでしまうことも、何かしらの秘めたる思いから生じているのです。

それを理解しようと諦めずに努めること、投げ出さずに、嫌がらずに、自分がこの人の味方になるんだ!と思って接し続けることが大事です。

そのためには、病気の知識やそれに対する相手の痛みや症状への配慮等も大事になってきます。



Aその人が大切にしていることを大切にする。今だけではなく、未来までも大事にする

その人が生きているうえで何を一番大事にしているのかを共有し、そのためにそれに向かっていけるように今を応援するのです。

Uさんの場合、一番大切なことは子供に会う事でした。それは叶わない未来です。しかし、その叶わない夢をどうすれば良いかを一緒に考えるのです。

私とUさんが出した答えは『この世では会えない。だから一生懸命生きて、子供を捨てたことを向こうで謝りたい』というものでした。

“あの世で謝りたい”という未来の夢のために、今を一生懸命生きるということをUさんの大切なこととして大事にして応援したのです。

整容を拒否された時も「綺麗にしていた方がお子さんも喜ぶんじゃないですか?」と促して、二人で苦笑した記憶があります。



B相手を信頼し続ける

Uさんのような困難ケースの場合、パートさんたちも投げ出してしまったように、正直付き合うのが嫌になります。私も毎週○曜日がくるのが憂鬱でしたし・・・

しかし、それは相手に伝わるんですね。

私がUさんを信用していない時はUさんも私を信用していなかったんですね。

しかし、私が先輩の言葉をきっかけにUさんを信頼し続けようと思い始めてから、変わったのです。そして、Uさんは私を信用に足るとおっしゃってくださいました。


『信用』とは相手が良い人間だ、これだけの見返りを保証するだろうと信じることです。つまり、相手が自分の基準を満たした時に信じられることです。

『信頼』とは相手がどんな状態であろうとも、信じ続けることです。


つまり『信用』は条件付き、『信頼』は無条件なのです。


私はつまり、Uさんに対して『拒否』→『信用』→『信頼』と変わっていったため、Uさんは私に対して『拒否』→『信用』と変わってくれたのです。


人は他者からの『信頼』されると変わっていくのです。



結論です。


相手に寄り添うこと、つまり相手の味方になるとは、相手を様々な角度から理解し続けようと努め、その人が今大切にしていることや未来に大切にしていることを共有して一緒に大切にし、相手がいかに自分を拒否していても、その秘められた想いに関心を向けて、信頼し続けること。


寄り添うって簡単に言ってはいけませんね。本当に難しいことです。私も偶然が重なってUさんに寄り添えたかもしれませんが、今なお、寄り添えていない方々がたくさんいらっしゃいます・・・

上記のポイントを踏まえながら一緒に悪戦苦闘しましょう!きっとでも素晴らしい瞬間が待っているはずです♪

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この記事へのコメント

またまた記事に関係ないのでがんすがぁ

*老いへの緩和ケアーの必要性

僕自身五十路となり思うところもあるし
デイサービスでふれ合うお年寄りの方々を見て感じ取る事もあるし
メル友や周りの60歳代の方とのやり取りにも思う
「老い」と言う現実、、、

そんな時 舞い込んだ話
親しい僧侶の運営する幼稚園で、僕の通うデイの所長と僕とで園児の祖父母対象に
何か話をしてくれないか との事

そこで所長と僕が考えたのが「老い」へ対しての体と心の準備みたいな
「老いへの緩和ケアー」みたいなもの

1 介護職による認知症予防などの専門知識
2 障害者による介護を受けると言う事への心得
3 僧侶による老いると言う事の仏教観

の構成を考えて見た
老いる、、、親の老い、自分の老い
考えないと言うよりは、考えたくはない話題なのかも知れぬが
「終わりよければ全て良し」の人生を送る為にも考えておく
イメージしておくべきものなのだとも思う

楽しかった人生をかみ締め終えられる為にも、、、。
Posted by 武ちゃん at 2009年09月04日 10:07
武ちゃんさんコメントありがとうございます!

老いへの緩和ケアー・・・大切なことですね。素敵な取り組みをされていらっしゃるんですね。とっても大事だと思います。

今の世の中って、“アンチエイジング”なんて明らかに“老い”を嫌うような世の中ですよね。“老い”への抵抗、拒否・・・

それを受け入れる準備をしなければそれこそ今のご高齢者よりも落差にショックを受ける方が多くなるのだと思います。


実は私たち介護職は日々“生老病死”に向き合っています。ですから、こんな世の中にあって、少しは老いへのセルフケアができているかもしれません。

老いるって素晴らしい、老いても人生は素晴らしい!そんな風に誰もが感じられるようにしたいですね!!
Posted by kinsan at 2009年09月04日 19:57
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