『個別』はどうすればできるか?

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『個別』はどうすればできるか?

2009年9月18日


『個別』という言葉って介護業界のいたるところで見聞きしますね。『個別』という言葉の後に『〜的』『〜性』『〜介護』『〜ケア』『〜支援』と使われていますね。

『個別』がなぜ流行るかというと、それまでの介護の多くが『全体的』『総合的』『画一的』過ぎて、一人一人のニーズを汲むことが難しい集団処遇の中で利用者さんたちへ介護が提供されてきたからでしょう。そのことへの反省と、一人一人の利用者さんへのより質の高い介護のために『個別』ということが大事にされ、目指されているのだと思います。


しかし、多くの方、とくに介護保険施設や有料老人ホームにお勤めの方々からはこのような言葉が聞かれます。


『個別支援がやりたいけど、うちではできない』
『大人数の利用者に対して少ないスタッフではどうしても画一的なケアになってしまい個別介護ができない』


施設の大規模、大人数という特徴に、人手不足が重なり、個別介護ができないという訴えです。

そんな現状を反映してか、そういう大規模な施設ではなく、家庭的な小規模施設での勤務希望が増えているそうです。また、先日県庁へ行ったら、デイの指定申請の実に80%以上が10人定員の小規模デイだと指導課の人がおっしゃっていました。

行政も、ユニットケアや小規模多機能などを後押ししていますね。時代も現場も行政もより『個別』がしやすい小規模(利用者数が少なく、スタッフと顔馴染みの関係が築ける)に向かっているといえます。



さて、ここで疑問が二つ。



@【小規模ならば個別の介護ができるのか?】
A【大規模や大人数の施設では個別の介護はできないのか?】


グループホームが認知症介護の切り札!ともてはやされた頃と同じ気がします。

つまり、介護を提供する形、制度、仕組み、システムというハードが揃えば良い介護(ここでは個別介護が良いと言う前提です)ができるという思い込みです。

そうではなく、どんなハードであれ、一番大切なことはそこで展開されるスタッフによる専門的質の高い介護というソフトなのです。


うちは少人数で日に12〜3人の利用者さんです。スタッフはボランティアさん、調理員含めると5〜6名です。

しかし、すべての人に手厚い個別介護ができているかというと、まだまだ力不足を実感しています。

いらっしゃっている利用者さん全てに一定以上の介護を提供しつつ、その中でその時々に最も力を注がなくてはいけない人たちに対しては、集中的に時間も人も注ぐ介護を展開している状態です。
一対一の環境を作り、真に深い傾聴や共感を行い、相手のスピリティチュアル的痛みを理解しようと努める介護を提供しています。


だから、相対的にあまり集中的に介護が提供されない人も出てきます。


全員に集中的介護を提供することが『個別』というのであれば、うちのような小規模事業所でも『個別』介護ができているとは言えません。


ただ単に小規模でも、職員がバタバタと走り回って、記録をし、利用者さんたちはテレビをぼーっと見ている小規模施設も目にしたことがあります。それでは大きい施設で『個別』をやりたいけどできないと言っている職員さんに失礼です。



ところで、大きな施設介護で『個別』ができていないとおっしゃる方はそもそも何を指して『個別』と考えていらっしゃるのでしょう?

私の印象では、大きな施設に勤める介護職員の求める『個別』とは一人一人の利用者さんにゆっくり、じっくり耳を傾けお話をしたり、関わることを指しているような気がします。

そういう『個別』を目指したいのであれば、どうすればそういう時間が作れるか?それを念頭にスタッフで話し合うことが必要だと思います。全員にはまず無理でも、一人からでもピックアップして集中的に関わろうとしてみてはいかがでしょうか?



『それは平等ではない』とおっしゃる方もいるかもしれませんが、それは話が矛盾してます。


そもそも『個別』なんですから、『平等に個別介護する』なんて変じゃないですか?それは、みんなに同じようにすること=『画一的』に逆戻りしてしまうと思います。

何だか個別介護される方を特別扱いしているような錯覚にとらわれますが、決してそんなことはないはずです。『平等』とはうわべの“みんな一緒”とは違うもっと深い意味があると思います。ま、『平等』についてはまた別の機会に。



うちは大規模なところに比べたらお話をする時間もじっくり関わる時間も多いでしょう。しかし、一人ひとりに寄り添った真に深い『個別』介護をしようとすると一度に全員にできるほどの余裕はやはりありません。



まずは『一人ひとりの利用者さんに寄り添う介護をしたい』という真摯な想いを目の前の利用者さんの中で一番『個別』介護が必要と思われる方に対して職員一丸となって取り組むこと、そしてその積み重ねをしていくことが大事なのではないでしょうか?


人手不足の大変さは私も重々承知しています。


しかし、やりたいけどできない!と決めてしまったらそこでできなくなります。

困難な中でどうすればできるかを考える発想の転換がは大事です。


難しいとは思いますが、諦めたらその時点であなたの事業所では『個別』はできなくなります。

一緒に頑張りましょう!!

できないではなく、どうすればできるかを一緒に考えていきましょう!!


ということでポイントだけまとめます。

1.『個別』はハードが整っていればできるものではない。小規模でもできないし、大規模でもできる。要はソフトの力。

2.『個別』は決して特別扱いではない。『みんなに平等に行う個別』は『個別』ではない。

3.『個別』は一度に全員に提供できるものではない。まずは一人の人に行おうとしてみる。一人への集中的『個別』の実践が積み重ねられると、そこに通う人がみんな『個別』に大事にされている状態になれる。

4.『個別』ができない理由はたくさんある。でもできない理由を並べたてるより、どうすればできるかを考えたほうが、できる可能性が増える。

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この記事へのコメント
お久しぶりです
初めてコメントします。

私は老健で利用者さん約50人が入所しています。

自分が思う『個別』は、
・ケアプラン
・諸動作の介助
です。

ケアプランは、ほぼ同じものは無いと思っています。

動作の介助も身長や体重も違えばできる動作も違う。

私が思う個別です。今やっいる個別とは何かを自分なりに考えるとこうなりましたw
Posted by かつお at 2009年09月21日 21:56
かつおさんコメントありがとうございます。お久しぶりです。

そうですね。ケアプランはじめ、介助の全てが一人ひとり個別に提供されてしかるべきだと思います。
しかし、ケアプランの作成マニュアルや、例文、丸写しなど、まだまだ個別とは程遠い現場が全国には多いでしょうね。ケアプラン自体が全ての個別を表現するには限界があるように思いますし。

だからこそ、個別への追及が不可欠なんですね。私の事業所もまだまだ途半ばです。

今後も一緒に頑張りましょうね♪
Posted by kinsan at 2009年09月24日 12:35
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