熱心に関わり続ける

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熱心に関わり続ける

2009年9月27日


実習生の方々から再確認させられたり、学ぶことはたくさんあります。

今日も実習生の方とのやり取りから考えたことです。



実習生の方が寡黙な男性Tさんと関わることにつまづいてしまったとのことです。


実習生「お話しても『関係ない』とか、活動にお誘いしても『いいです』と言われてしまいます。気難しい方ですね。あまりお話が好きではないのでしょうか?あまり人付き合いも好きではないように思いました」


寡黙な男性利用者との関わりで誰もがぶつかることですね。


「あなたはTさんがそういう方だと感じたんですね。Tさんは本当に人付き合いが嫌いで話も嫌いな方だと思いますか?」


実習生「いえ、断定はできませんがそうなのかなぁと思いました。」


「じゃぁ私や他の職員、他の利用者さんがTさんと関わっている様子を見ました?どうでした?」


実習生「…………ん〜、楽しそうでした。笑顔だったし、話もされてましたね」


「何が違うと思いますか?」


実習生「う〜ん、やっぱり過ごしてきた時間や信頼関係ができてないんだと思います」


「ではあなたが私たちみたいにTさんと関われるようになるには何が必要だと思いますか?(読者の方へ同様に質問です)」






Tさんは自営業で小さな工場を一代で築き上げ、立派な事業とした方です。いわゆる仕事一筋の職人です。
確かに遊び慣れてませんし、人付き合いも少なかったようで、一日朝から晩まで工場で仕事をしていました。

今は息子様に代を譲り、御隠居さんです。


引退のきっかけは息子様に「親父、この製品じゃだめだから作り直してくれ」と言われたことだそうです。

それ以来工場にも立たず、何もせず、寝てるだけになったそうです。認知症や生活不活発病も徐々に出て来ました。

御家族はトイレや風呂も拒否するTさんに困り果ててました。


「殺せーー!」


と喚いたこともあり、当時は家庭崩壊を覚悟したと御家族はおっしゃいました。



そんなTさんが今ではデイサービスで仲間や職員と穏やかに過ごされています。



私たち介護職がTさんにしたことはただ一つです。

『熱心に関わり続けること』


それまで築いてきたものが崩壊し、自分の存在が揺らいでしまったTさん。自分のアイデンティティが崩壊し、自尊心が傷ついた彼の心境はいかばかりだったでしょうか・・・

そんな彼の現在と、それまでの過去、そして未来を含めて、私たちはTさんに関わり続けたのです。


具体的には“レッテルを貼らない”ということです。


Tさんは今でこそ好々爺です。気難しさや、人付合いの疎さ、遊び慣れてないことも確かにありますが、Tさんは根本的には一人の人として、他者との交わりやその中での役割を持つことで輝く存在なのです。


デイ利用当初、自分が揺らいで全ての人や物事との関係を拒絶していたTさんに対して人としての存在を認めることが大事なのです。


もちろん、職員も最初は実習生の方が感じたような気難しさや、会話嫌い、人嫌いを感じたでしょう。しかし、その時にTさんから表出された言動だけを見てレッテル(話嫌い、人嫌いなど)を貼らず、Tさんに関わり続け、役割支援や関係支援をしていくことで、本来のTさんらしさが出てきたのです。




「確かにTさんは職人肌で気難しい面や人付合いに慣れてないかもしれません。それはTさんがこれまでの人生で築いてきた人となりです。そして、おっしゃるように、そんなTさんを受け入れた上で、時間をかけて関係を築いていかなければなりません。でも、1番大切なことは、もっと隠れた、Tさんが出せない、Tさんらしさがあるはずと信じることです。目に見える言動だけでなく、その人の生きにくさに隠されたものを信じて関わり続けること、レッテルを貼らないで関わり続けた先に本当のTさんとの関係が待っているんだと思いますよ



私も日々自分の“できない”に悩みます。レッテルも貼ってしまいます。しかし、介護職として相手の可能性を信じ、熱心に関わり続けることを大事にしていきましょう。

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この記事へのコメント
はじめまして。コメントさせていただきますね。
介護福祉士にとって、「人間愛」といいますか「人間への興味関心」というものは大切な資質であると考えてます。
しかし、大切な資質でありながら、必ずしも全ての介護福祉士がその資質を持ち合わせているわけではないのも事実です。
絵空事かもしれませんが、このような資質を技術化することができないものか・・・とも考えたりもします。
少し大袈裟かもしれませんが、「介護福祉哲学」とでもいいましょうか・・・・個人的には好きですね、こういうテーマ。
また、是非とも多くの介護福祉士の方々に考えてほしいテーマだと思います。
次回の記事も楽しみにしています!
それでは長文失礼いたしました。
Posted by ケアマン at 2009年09月27日 22:48
ケアマンさんコメントありがとうございます。

私もこのような個性だったり、人となりだったり、その介護職自身が持つ人間的資質を現場で十分に発揮できるような、ある意味技術化と呼べるかもしれませんが、そのような専門性の確立が必要となると考えています。

このブログもそのようなことに貢献できればと始めたものです。

ケアマンさんのブログ拝見いたしました。介護福祉士に絞ったテーマのようですね。私は介護福祉士に限らず広く介護に携わる人すべてに向けての内容になっています。

資格としてはいずれ介護福祉士を基本とする日が来るかもしれませんが、介護福祉士自体の養成、カリキュラムが現場に即していないという声も聞かれます。

いずれにせよ、介護の専門性を考えていく中でともに頑張りましょう。ありがとうございました。
Posted by kinsan at 2009年09月28日 05:45
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