スピリチュアルケアとは何か?

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スピリチュアルケアとは何か?

2009年12月26日


ホスピスや医療実践の中から形づくられたスピリチュアルケアでは、そのケアする対象を“スピリチュアルペイン(スピリチュアルな痛み)”と言います。

このスピリチュアルペインは、主に「自己存在の価値や目的や意味の喪失」と言われています。

ケアを受ける人に限らず、人間は誰しも自分が存在していることや生きていることに対して、意識しているかいないかは別として、それを支えるための「価値基準」や「目的となるもの」や「意味を肯定するもの」を持っています。

それは

「人からの承認」
「社会的地位や名誉」
「趣味や仕事」
「大切な人の存在」
「自分らしい普段の生活」
「大きな目標」

など極めて個人的で、主観的で、非合理的なものです。


例えば・・・

かの有名な発明王のエジソンは今でこそ世界中を電球で明るくした偉大な発明王でしたが、当時は世界最大の失敗者と称されたこともありました。世間では財産と時間を全てつぎ込んで1万回も実験に失敗する彼を『エジソンの愚行』と言ったそうです。

この場合、彼を支えているものは人々からの称賛でも、社会的地位や名誉でもなく、『電球を作るんだ!世界を明るくするんだ!』という明確な目標と、それに向かってまい進している自分らしさだったことでしょう。

これが、当時のエジソンンの自己存在を支えるものです。


もし仮に、彼が事故で全く実験ができない身体になったらどうでしょうか?


日常生活が満足に送れないことはもちろんです。ここを支援することが現在の介護が対象としている日常生活支援としての介護です。

しかし、この場合のエジソンは、自分がまい進してきた目標を断念しなくてはならず、自分が夢見たことが幻に終わったことに落胆したことでしょう。これこそが自己の存在を支えるものの喪失『スピリチュアルペイン』なのです。

他人にしてみれば、電球を作ることができなくなったということはどうでも良いことかもしれません。他人にとっては、事故で日常生活が満足に送れず、明日への不安を持つことの方がスピリチュアルペインかもしれません。

このような意味で、スピリチュアルペインは極めて個人的、主観的、非合理的なものなのです。



このスピリチュアルペインをケアすることがスピリチュアルケアです。


そして、スピリチュアルケアは、実際に何かしてあげることでそのペインを具体的に解決したり、解消したりすることではありません。

そのスピリチュアルペインに向き合って途方に暮れているその人に寄り添い、受容、共感、承認、提案などのスキルを用いて、ケアする側が一緒にその人の痛みを分かち合います。そして、その人がこの先の人生をどう生きていくかをその人自身が自分と対話し、それを見つけて、その人が秘めている内在的な力を引き出すことによって前進を支援するケアなのです。


ものすごく乱暴に言ってしまうと『人がコミュニケーション等を介して行うエンパワメントケア』ですね。


エジソンの場合ですと、エジソンの代わりに誰かが電球を作り続けることや、産業振興補助団体等に補助金の申請をしてあげる、などすれば具体的に“電球を作り続ける”という彼の目標は継続されます。これが“してあげる”だけの“解決型支援”です。

しかし、彼自身がその達成の目標に携われない痛みをどうにかしないと彼自身は癒されないのです。

解決型支援をするためには、スピリチュアルケアを通じて彼自身が彼の中から「信頼する誰かにこの実験を託そう!」と決められた時初めてできるのです。




ものすごく簡単ではありますが、私の考えるスピリチュアルケア、スピリチュアルペインについてあなたにお伝えできたでしょうか?


スピリチュアルケアは宗教的ケアや精神的ケア、カウンセリング等と重複する部分もありますが、巷で言われているような、オーラだとか、神様とかそういうものよりも、もっと一般的なものなのです。

私たちだって、よくよく考えてみたら、普段は気付かないけれど、自分が生きる意味や存在しているための目的を支えるものがあるはずです。


仕事だったり、恋人だったり、子どもだったり、目標だったり、友達だったり、趣味だったり・・・


そういう支えに絶対的保障なんてありはしないのです。


自分が事故にあって仕事や趣味ができなくなるかわかりません。
同じように大切な人がいつ亡くなるかなんてわかりません。


「まさか、自分には起こらないだろう」


誰しもそう考える中で、私たちが対象とする利用者さんたちは、その“まさか”に出会っているのです。

老い、病、障害、家族関係の変化、経済状況の変化・・・

利用者さんのスピリチュアルペインに対して私たちはスピリチュアルケアをすることが必要だと思うのです。


その人が元気になる、明るくなる、前向きになる。それらは身体介護や社会資源の活用だけではだめなのです。人は誰しも支えを持っています。その支えを喪失した時にはスピリチュアルケアが必要なのです。



何故介護職がそこまでするのか?


時々言われます。


しかし、私たち介護職は“尊厳を支える”とか“その人らしくいられるように”等と言う綺麗な標語をたくさん使っているじゃないですか。法にすらそのような言葉が使われていますよ。

それでは、本気でそのような標語を実現しようじゃありませんか!と思うわけです。


身体介護だけで、ユニットケアだけで、レクだけで、その人の尊厳を支えるなんてできないと思うのです。

あなたも、日々の現場の中で利用者さんの「死にたい」「何で私がこんな目に」「まさか自分が」という言葉や人々からの接触を拒否している人、生きることに絶望している人等に出会っているはずです。
死の宣告を受けたホスピス患者等に比べると、その悲嘆ぶりが伝わりにくいのが介護現場かもしれません。

しかし、だからこそ、その小さな声やサインであるスピリチュアルペインをケアしてこそ、真の意味でその人の尊厳が支えられるのだと思います。
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