介護職が自信を持つためにできること

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介護職が自信を持つためにできること

2010年5月5日


先日、初対面の方と介護について語り合うという機会を得た。
その中で『現場介護職についてどのような印象を持っているか?』という問いを頂き、私は「自信を持てていない」と即答した。

介護職が自分たちの仕事と自分自身に自信を持てていないこと、それをどうしたら打破できるか考えてみたい。



介護職が自信を持てない理由は色々考えられる。

原因としては『一般社会の価値観』と『介護業界のマイナスイメージの蔓延』の二つが思い浮かぶ。


T『一般社会の価値観』

現代の一般社会で価値があるとされるものは、介護業界では得にくい。
現代では『金銭』や『地位』が価値あるものとされているだろう。もちろん私もこれが欲しいし、あるに越したことはない。しかし、介護業界は低賃金であり、社会的地位も低い。したがって、一般人からすると介護は価値あるものを得られない仕事と見られる。

また、介護業界で得られることは一般社会から見ると価値がそこまで高くないと思われている。
『ありがとうという“言葉”』『人の笑顔』『人の役に立てるという充足感』『人間的成長』ということは、他の仕事でも得られるし、これだけを糧として生きていくことは厳しい。したがって、一般人からすると介護で得られることは『金銭』『地位』に比べて相対的に価値が低いと見られる。

つまり、介護という仕事は一般社会の価値観からすると、価値あるものを得られない仕事という評価を下されているのだと私は考えている。



U『介護業界のマイナスイメージの蔓延』

介護は●Kと言われる。暗い?キツイ?汚い?給料安い?危険?希望が無い?クレーム多い?結婚できない?子供を育てられない?体を壊す?心も壊す?
こじつけのKでも枚挙に暇が無い。

こうしたマイナスイメージの蔓延によって、ひとたび「介護をやってます」と他業界の人に言えば…

「大変だね」
「偉いね」
「自分にはできないよ」
「頑張ってね」

という言葉が返ってくる。

一生懸命仕事をしているのに、マスメディアだけでなく、親しい友人、恋人、親兄弟、親戚からこのようなマイナスイメージのお返しをされたら人は当然自信を失っていく。



@日々の仕事に追われ、さらに、Aその仕事に価値を見いだせず、B周囲からマイナスイメージを与えられていることで、自信を持てていないということが介護職全般に見られることではないかと私は考えている。



この現状を打破したい。具体的には一般の人が「介護って仕事もいいよなぁ」「結構あこがれるんだよねぇ」「介護やってる友達がすっごい楽しそうなんだよなぁ」と言えるようなプラスのイメージが広がることが理想だ。



このような理想を実現するために、世の中の動きは@を解消することに注力していると感じる。

具体的には介護職員処遇改善交付金やキャリアパス、海外の人材採用など「カネとヒト」を政策面から改善し、人材不足解消や待遇面での魅力を高めていこうというものだ。そうすることで、現場に余裕が生まれるだろう。

こうした政策面でのバックアップは必要なことである。しかし、介護職が自信を持つための劇的な策とは言えない。なぜならこれはあくまでも、政策によるバックアップであり、言ってみたら取り組み自体は現場介護職が直接行っているわけではないからだ。私たち介護職が自信を持つためにはAとBの改善への取り組みが必要不可欠なのだ。



『介護という仕事に価値を見出し、周囲のマイナスイメージを払拭すること』


これは、知識人が政策面で行ってくれることではない。これは、私たち現場の介護職一人ひとりが自ら発信していかなければならないことなのだ。


『介護が大好き。介護ってこんなに楽しい。素晴らしくてやりがいのある仕事だ』


ということを、一般社会の価値観に気押されないで、誇れるように、自らが現場で見出していかなければいけないのだ。



私も、社会人になりたての頃は、地元の級友と再会した時に介護職であることに劣等感を感じたものだ。
一部上場企業に就職できた友人。検事や歯科医師になれたという知人。彼らに対して堂々と介護を誇れなかった。
そして、「大変だね、偉いね、頑張ってね」というマイナスイメージを浴びせられて自信を持てなかった。


しかし、日々の業務に追われ、待遇が満足いくものでなくても、日々の現場で得られる介護の価値をかみしめて、体感し、それをイキイキと周囲の人に語れるようになると、今では逆に周囲の人がうらやんだり、介護に興味を持ってくれるようになった。外資系の友人ですら「介護も悪くないね。なにかコラボできないかな。可能性があるね」と言ってくれるようになる。


例えてみよう。

紛争が続く国の人に初めて出会ったとしよう。その国は危険な地域で、治安が悪く、ライフラインも経済も十分に整っていない、というイメージを持ったままその人に話をしてみる。

その国の人が「そうなんです。私の国は酷い有様で、毎日命の危険を感じながらおびえて暮らしています」といえば、「やっぱりイメージ通りかぁ」となって、その人に同情のイメージを持ってしまう。

しかしその人が「いやいや、今私の国は、とても治安が落ち着いてきています。経済も発展してきていて、みんながイキイキとドリームを持って生きていますよ。日本の方が閉塞感がありませんか?是非来てみてくださいよ。とても素敵な国ですよ」といえば、「え?そうなの?どういうこと?もっと教えてよ・・・わぁ、行ってみたいなぁ」とならないだろうか。



一般的イメージは先入観として誰の中にでもある。しかし、そのイメージは、実はその中にいる個人が語る魅力に比べると大したことはないのだ。


介護の魅力を現場から見出して、周囲の人に語ろう。まずは親兄弟、友人から。もちろん、あらゆる面で最高の職業とは言い難い。しかし、私たちが熱意をもって介護の魅力を自らアピールすることで、自然に、周囲がプラスのイメージを返してくれるようになる。そうすると自身の中に好循環が生まれる。


@はもちろん、ABを私たちが草の根レベルで改善していくことが、介護職が自信を持つことにつながるのではないだろうか。



最後に、私が介護の魅力を周囲に話す時に言うことを書いてみる。

『自分という人間自体が商品の業界なのです。使ってくれるユーザーであるお年寄りは千差万別の個性を持っています。その一人ひとりがヘビーユーザーになってくれるように自分を磨いていける職業です。こんな世の中で、自分という存在自体が肯定され、必要とされ、かけがえのない存在だよって毎日思わせてもらえる職業ですよ』
『現代人が求めている、人との触れ合い、癒し、生きる意味、喜び、そんなものが全部詰まってますよ』
『日本って元気が無くなっていますよね。経済力でも途上国に追い抜かれそうですよね。でも私たちが躍起になって発展して、失ってきたもの、置いてきたものをもう一度取り戻し、経済では無い先進国として他国に誇れるような成熟社会になるための可能性を秘めた職業ですよ』
『その人の生き方を通じて、今自分が悩んでいること、恋愛のこと、両親のこと、将来のこと、子育てのこと。そうしたものに向き合うための力を湧き起こさせてくれる職業ですよ』

あなたも、あなたなりの介護の価値を周囲の人に熱く発信してみよう。初めはマイナスイメージや同情が返ってくるかもしれないが、あなたの熱意に比例して自然にプラスイメージが伝搬していくだろう。

そして、介護職全体で自分と介護の仕事に自信を持とう!!



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この記事へのコメント
毎度おなじみのウエッティでございます。
さて、異業種でも自分の仕事を熱く語れるか?
みんながみんなそうじゃない。
例えば“俺も三流企業のしがないサラリーマンさ・・・”など。

でも、その仕事に世の中とのつながりを見い出せれば、
“会社の規模は小さいけど、この商品(サービス)はもっと世間に知られる価値がある。”
と動機付け(モチベーション)を持ち、厳しい営業・生産も乗り切れるでしょう。

だから、異業種でも、誰しもがすべてプライドを持っているわけではない。
この介護の仕事もそうじゃないかなぁ。
私たちの持つ気持ち次第で、輝きを持った仕事だとわかる、と思います。
まずは、私自身がどう思っているか。それが大事ではないでしょうか。
kinsanの言われる通り、語り合うことが大事なのでしょう。
Posted by ウエッティ at 2010年05月06日 10:56
ウエッティさんコメントありがとうございます。

一流企業に勤めている方だって自信を持てない方も大勢いるでしょう。ようはその人個人がその仕事に自分なりの価値を見いだせるかどうか。

ただ、介護職は必要以上に周囲からのマイナスイメージを受けやすく、一般的価値からずれている中にいるので、自信を持ちにくいのだと思います。

こうして話し合えること、魅力を互いに認識できる場が求められているのでしょう。
Posted by kinsan at 2010年05月07日 08:35
もう7年前の記事なんですね。
ここ数年、介護職をしています。もう50になります。
そして、若い世代の社員を見ていて、他の業界に無い
異様な上昇志向や仕事に対する頑なさが
どこから来るのかずっと気になって居ましたが、最近、
遂に、「そこか!」と合点がいったところです。そしてこの記事を見つけました。

しかし、この話にはオチがありませんね。
いい線行ってるとは思いますが、魅力やモチベーションについての
言及だけでは解決しないと思います。

その為にも話し合いってのは必要だとは思います。しかし、
現状を維持してしまっているリーダー階層に腹落ちをさせる着地点も
用意しなければ、結局、この負のスパイラルからの脱却は不可能だと思います。

自分も今、まとめている最中ですが、
失敗学がこの難問に答えを与えてくれると思います。

そして、その視点から見ると、

>ただ、介護職は必要以上に周囲からのマイナスイメージを受けやすく、一般的価値からずれている中にいるので、自信を持ちにくいのだと思います。

この認識は、間違ってはいないと思いますが、
3Kである原因は、社会的な立場に自信がないリーダーによるものである事は分かります。
しかし直接の原因ではない事が分かるようになります。

要は、改善に対する知識不足が原因だと思います。

私は、介護職を3Kにしているのは、現場のリーダーや管理職の改善に対する誤った認識であり、
本来の目的や、業務効率化を無視した仕事スタイルにあると思っています。

それらを正しく指導しなければ、介護職の魅力は、さらなる負のスパイラルのエンジンとして
機能してしまうのだと思います。
Posted by wara_b at 2017年05月06日 23:22
wara_b さんコメントありがとうございます。
久しぶりすぎて、自分でこのような記事を書いていたんですね。

今はもっとシンプルに考えております。
単純に、マネジメントができていないこと、専門職としての知識技術、介護過程というPDCAサイクルが展開できる力量が伴っていないこと。などがこの解になるのかと思います。

それ以上に、自信が持てないということであれば、結果に対するインセンティブであったり、相当の報酬が無い。ということに尽きるのかと思います。
ただ、前述のように結果が出せない専門職であるならば報酬は低くて当然であります。

その結果とは何かというのが、現在国で紛糾しておりますが、単に社会保障費を削減できるような予防的、身体的自立なのか、それとも介護離職を低下させることによる経済効果なのか、そうした効果測定とアウトプット発信が足りないことは職能団体他業界団体が一枚岩でないこと。民主主義的には負け組になっていることでしょうか。。。
Posted by kinsan at 2017年05月16日 14:10
kinsan 様 お返事ありがとうございます。

>今はもっとシンプルに〜などがこの解になるのかと思います。

なるほどです。しかし、その答えを聞いて少し悲しい思いです。

でも、"このブログのミッションは“たたき台になる”ということ”なんですよね!

今回いろいろと考えさせられました。他のコメントにも興味をそそるテーマがたくさんありますね。

また、読ませていただき、コメントさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
Posted by wara_b at 2017年05月17日 00:20
wara_b さんコメントありがとうございます。

是非、少し悲しいと感じた理由や、wara_bさんのご意見を伺いたいです。
どうぞよろしくお願い致します。
Posted by kinsan at 2017年05月17日 07:04
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