介護ロボットと介護の心

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介護ロボットと介護の心

2011年6月15日


先日NHKで『高齢化先進国の強み』と題して介護ロボットについての番組が放映されていました。

とても興味深く見ていました。

今日はその内容と私が感じたことについて書いてみます。



まず、日本の技術力はとても高く、これまで培ってきたものづくりの力が介護ロボットの開発に活かされていると放映されていました。
ロボットスーツによるリハビリ支援、寝たきりの人の声一つで車いすに変形する介護ベッド、認知症の人の癒しになるぬいぐるみロボット、自動で食事介助や洗髪を行うロボット等です。

その技術力は海外でも高い評価を得て、深刻な社会保障財政難と高齢化に悩む北欧などから積極的な視察、提携があるとのことです。


また、日本の介護ノウハウをお隣の中国に輸出しようという動きも取り上げられていました。

『日本が10兆円なら中国は100兆円の市場規模』 なるほど。

日本の10倍の人口を抱える中国。目覚ましい発展の裏側で深刻な介護の悩みが進んでいると言います。
一人っ子政策によって、親を支える子供の負担も日本をしのぐ勢いです。経済発展の陰に隠れて、社会保障施策はまだ十分とは言えないようです。


しかし、こうした民間の動きに対して日本の国策は遅れていると解説者は説いていました。

メーカーが開発した介護ロボット等は、介護現場で臨床試験を行わなければいけないのですが、日本の介護現場ではなかなかそれが出来ないと言います。

臨床試験を行うためには、現場では人員を割いたり、新しいことを覚えたり、記録が増えたりと負担が増えるわけです。
それに対して、人員を派遣したり補助を出す等、国からの全面的な支援が乏しいというのです。
こうした技術力を産業として育成していこうという明確なビジョンを国が打ち出せていないと言います。

『宝の持ち腐れ』

解説者の言葉でした。




さて、

『日本の介護を輸出する』


この言葉は私もよく聞きますが、逆に『日本と海外では違う!』『そういうものを輸出すべきではない!』『日本も十分ではないのに海外とはどういうことだ』という声も聞かれます。


また、介護現場そのものよりも、こうした界隈ビジネスの方が盛んになることに対して批判や不満の声が上がることもよく聞かれます。

『年寄りを食い物にする』『介護とビジネスはそぐわない』

私は一部のしかも偏ったイメージなどで、こうした動きや活動、参入したいと考える人々、国の施策を批判することはナンセンスだと思います。



私は考えます。

実は、国の後押しが無いから介護ロボットの産業化が遅れているのではなくて、介護現場における私たちの意識がこうしたロボット、テクノロジーを拒否しているのではないかと。

そこにはやはり『介護の心』という理念が存在している気がしてなりません。


介護という人と人との触れ合いに対して機械を持ち込むべきではない。
効率化や速さを追究すると、介護の大切な物が失われてしまう。
もし自分や自分の親がロボットに介護されると想像してみたら嫌ではないか?


これらの意見には私も賛成です。

しかし、ロボットやテクノロジーのイメージが偏っているままでこれらの意見が支持されるとしたら、私は違うと思います。

ロボットやテクノロジーはあくまでも私たち介護職という人が利用者との直接介護を補完するものと考えなければいけないと思うのです。
一番大切だと言われる、人と人との触れ合いをするための環境を整えるためにロボットやテクノロジーを使いこなすのです。


介護職を最小限にして、できるところを全部ロボット化してしまおう!

というのであれば私も大反対ですが、決してそうではないはずです。

一部そのようなことがあるとしたら、それは現場としてNO!を言わなければいけませんが、全てにNO!を出していてはいけないのではないでしょうか?




私たち介護職のヒューマンスキルを活かすためにテクノロジーを使いこなすのです。


介護の心によって見極めなければいけないことから目をそらしてはいけません。



また、私たち介護職はもっと広い視野を持たなくてはいけないのではないでしょうか。

私も現場人間ですので、不条理な制度の狭間で苦しむ利用者を助けられない無力等に憤りを感じたりします。

しかし、それを構成する制度等がどのように創られ、どのように財政が回り、その財政を回すために、他業界で国で世界でどのような動きがあるのかを知らなければならないのではないでしょうか。


私たちの介護を支える社会保障費自体が財政難です。国も財政難です。

これからまだまだ成長する介護業界にいては実感がわきませんが、他業界では少子高齢化の波によって市場自体が縮小したり消えてしまう事態に直面しています。

そんな中で、私たちの介護業界が他業界や日本を支える柱になれるとしたら、もっと私は頑張りたいと思います。介護の産業化に貢献したいと思います。


もちろん介護の心を失わずに。




社会保障費の財政難に苦しむ北欧のエピソードが放映されていました。

ある施設では、日本で開発された認知症の人の癒しぬいぐるみロボットが取り上げられていました。

今このぬいぐるみロボットを現場に持ち込み、臨床実験を重ねてエビデンスを構築しているそうです。

紹介されていた認知症の女性は、一年間にかかっていた薬代30万円が癒しロボットによって0円になったとのことです。

こうした臨床実験を重ねて、北欧では新たなロボット、産業を生み出そうとしているそうです。



不思議ではないでしょうか?

もし、数年後にこうした『癒しロボットが認知症の人に対して効果がある』と逆輸入されてきたとします。

高い研修受講料と、ロボット自体の価格を引っ提げて。

癒し系ロボットを活用する専門のインストラクター研修なるものも始まるかもしれません。

そのライセンスは全て海外にあるとしたらどうでしょうか?

そこに私たちは高い受講料を払って学びに行くとしたら・・・



宝の持ち腐れ。


確かにそうかもしれませんね。


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この記事へのコメント
以前大田区にある善光会と言う法人に勤めていました。
ロボットスーツを導入しています。
Kinsanのいる神奈川から近いので見学に行かれて見ても良いかも知れません。
Posted by 「介護白虎」J.S at 2011年06月16日 03:10
「介護白虎」J.Sさんコメントありがとうございます。

ロボットスーツを導入されている施設ですか。興味深いですね♪
ありがとうございます!
Posted by kinsan at 2011年06月16日 12:07
ご存知かと思いますが、毎年国際フォーラムだったかで、国際福祉機器展も開催していますよ!

非常に大規模で、先進の福祉機器が体験できます(^_^)v

見学されにくる方々は、車椅子使用の方も多く、バリアフリーについても、考えさせられる機会となります。

うちの病院のような重介護の場合、やはりマンパワーの深刻な問題があります。

基本技術を覚える前に皆どこかしら体を壊してしまう感じ…

私達、介護職の体を守る為にも、福祉機器は必要なのではないでしょうか?

但し、全てを委ねてしまっても、使い方を一つ間違えば、危険と隣り合わせの機器もまだまだ多くあります。

より良い介護に繋げられる一つのツールとして、私達のサポートとして今後展開される社会を望んでいます(^O^)
Posted by ちゃあ at 2011年06月21日 06:11
ちゃあさんコメントありがとうございます。

やはりところ変わればですね。人はみな自分の経験や見分の範囲で常識や考えを形成していきますから、私の考えも認識もまだまだ狭いと言わざるを得ません。

ちゃあさんのように病院において介護に従事する方にとっては、ロボットについて、介護の心で食わず嫌いされてはいけませんよね。

おっしゃる通り、私たちのサポートとして今後展開される社会になればと思います。
Posted by kinsan at 2011年06月21日 07:30
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