キャリア段位制度から見る介護の専門性確立のカギ

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キャリア段位制度から見る介護の専門性確立のカギ

2013年1月30日


介護プロフェッショナルのキャリア段位制度をご存知でしょうか。
内閣府の新成長戦略の国家プロジェクトとして位置づけられているものであり、介護等の分野で、実践的な職業能力の評価・認定制度(キャリア段位制度)を構築するというものです。

〜(以下、一般社団法人 シルバーサービス振興会 ホームページより)

「キャリア段位制度」は、成長分野における新しい職業能力を評価する仕組みであり、企業や事務所ごとにバラバラでない共通のものさしをつくり、これに基づいて人材育成を目指しています。
● これまでの資格制度で不足していた「実際にその現場で何ができるのか」という部分を補うため、「わかる(知識)」と「できる(実践的スキル)」の両面を評価します。
● 成長分野である介護サービスの従事者に対して、「介護プロフェッショナル」のレベル認定が行われます。
● 「介護プロフェッショナル」については、既存の国家資格制度や研修制度との関係も考慮し、特に、実践的スキルについて重点的に評価します。
● エントリーレベルからプロレベルまで、7段階でレベル認定を行います(キャリア段位)。
● 介護プロフェッショナルでは、まずレベル1からレベル4について基準をつくり、レベル認定を行います。

詳しいパンフレットはコチラ@ A Bです。


これまで介護職の実践的能力は個別性が高く、経験や勘、関係性等に頼るものもあり、職業能力が評価がしづらいという課題がありました。
このキャリア段位制度によって、実際に現場で「できる」ということが評価され、その人の実践能力を客観的に表すことができるとして期待されています。


これだけ見ると素敵な取り組みです。ただ、その評価の手法や内容については色々とご意見を持っている方も多いように思います。

私は、その中でも『介護プロフェッショナルのキャリア段位制度の評価基準』について気になる点があります。

この制度では実践的レベルで“できる”ことが評価されるのが目玉なのですが、各項目をみていただければおわかりのように、本当に「できているかどうか」だけを見ているような評価基準です。まるで情報公開制度の書類があるかないか?くらいな簡単なモノに思えてなりません。
つまり中身が評価されていないように感じられるのです。

中身とは、専門職である私たち介護職が、対象となる方の言動を観察や傾聴を通じて@【情報を収集】し、それらをA【分析】し、B【解釈・判断】し、C【計画】してD【実行】し、E【モニタリング】を行うという一連の思考過程(プロセス)です。
この制度で評価されるのは“あらかじめ決められているDという調査項目ができたかどうか”のみなのです。

@〜Eという思考過程にこそ、介護の専門性が培われているはずなのに、そこが評価対象となっていないことは非常に残念です。
根拠を持たない結果重視の介護職の評価が量産されたとしても、それは、本質的な意味での実践的職業能力評価とは言えないと考えます。


しかし、一方で、この介護職の専門性の礎になるべき@〜Eの客観的データベースが構築されていないことも事実です。
私たち介護職も日々@〜Eを自然と仕事の中で行っています。しかしそれが、介護という職業全体を通じての共通理解、共有事項とすべき最低ベースの基盤として固まっていないということです。
そこが、介護が個人の職人技的領域を脱して、専門職となれない最大にして最前の課題だと考えています。

看護の世界でもかつては同じようなことがあったようです。ですから特に“何をどのように@を行い、ABをしていくか”については様々な研究が積み重ねられて専門職としてのデーターベース化が図られてきたという歴史があるそうです。

近年、介護の領域においても、コチラの学会誌などのように、熟練のケアワーカーの臨床能力の構造化を図ろうとしている研究が見られるようです。



これからは介護職が個人の経験と勘に、セミナーで身につけたスキルを合わせて職人技として展開する介護ではなく、介護職全体の最低ベースの基盤を職業全体で構築・共有し、足場固めをしっかり行う専門職性の構築が必要な時代に入っているのではないでしょうか。
そして、そのベースについて各論で研究を重ねていくことで、全体の底上げにつながっていく。こうして介護は対人援助専門職の仲間入りを果たせるのではないかと考えます。


キャリア段位制度の評価基準から、介護の専門職としての確立に足りないものを考えてみました。
私自身、このブログのタイトルにあるように介護の専門性を新提案していくために、ここにヒントがあるのではないかと考えます。


これを臨床を行いながら取り組んでいきたいなぁと考えている今日このごろです。
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