介護における『声かけ』

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介護における『声かけ』

2013年12月6日


『声かけ』や『見守り』という言葉がセットで社会保障審議会資料、介護福祉士の教科書などに出てきます。
ん〜〜、『声かけ』ってなんだ?


一般的な意味としての『声かけ』を辞書で引いてみますと・・・
@声を掛けることA作業などで、互いに声を掛けて注意を促すことB見知らぬ人に話しかけること、または人を呼び止めること。(実用日本語表現辞典)

だそうです。

介護、声かけ、で検索した先行研究などをみると、介護において声かけとは次の三つ程の意味合いがあるようです。

T.行動の促しや誘発のための声かけ
U.その人の社会生活に必要なコミュニケーションとしての声かけ
V.意欲を向上させるための肯定的声かけ

http://ci.nii.ac.jp/els/110006454926.pdf?id=ART0008469704&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1386266067&cp=
http://oshika.u-shizuoka-ken.ac.jp/outline/research/001/upimg/20080526084958779155251.pdf


辞書の意味と照らし合わせると、@とAの間くらいでしょうか。

また、介護というよりも、まちづくりや地域福祉の領域での声かけは、犯罪防止や安否確認などの意味合いを持つようです。


私はこれまでの経験で、介護における声かけについて次のように教えられた記憶があります。

「何か介助をさせていただく前など、例えば車いすを押す時、おむつ交換をする時、いきなりこちらの介助動作を始めると相手はびっくりしたり、不快な気持ちになったり、人格ある人として扱われていないと尊厳が傷ついたりします。だから動作の前に声をかけなきゃいけないんですよ。また、声を掛けることで相手も準備ができるので相手の力や態勢も協力的になるのでより主体的な介護ができるんですよ」

といったこと。一般的に介護において、声かけとはこのようなニュアンスの意味合いがあるのではないでしょうか。そしてなんとなくこれが通念になっている気がします。


皆さんは介護における『声かけ』ってなんだと思いますか?
声かけと見守りの違いを説明できますか?
声かけとコミュニケーションの違いを説明できますか?

介護における『声かけ』というものは定義や目的、実際などが整理されておらず、抽象的で曖昧な概念になっているのではないでしょうか。


さて、ということで今日は、上記の事柄から一回離れて介護における『声かけ』を一から考えてみたいと思います。
そして、『声かけ』の定義や目的、実際を自分なりにまとめてみたいと思います。


まず、介護の現場で、文字通り“声”という音声・言語を利用者さんに“かけている”実際の場面がどんな時かを列挙してみたいと思います。

『挨拶する』・・・「おはようございます。今日もよろしくお願いします」

『誘導する』・・・「(椅子を勧める等)こちらへどうぞ」

『促す』・・・「手を洗いませんか」「お食事をどうぞ召し上がって下さい」

『説明する』・・・「お支払いは月末締めで翌月の20日にお引き落しになります」「毎週月曜日のこの時間に参ります」

『提案する』・・・「今日は寒いのでもう一枚上着を羽織りませんか」

『依頼する』・・・「こちらの味付けをして頂けますか」「一緒に持っていただけますか」

『質問する』・・・「ご出身はどちらですか」「コーヒーとお茶ではどちらがお好きですか」

『確認する』・・・「それではお財布から5千円お預かりしますね」

『指導する』・・・「立ち上がる時はここの手すりにつかまることを意識してみてください」

『説得する』・・・「どうか一緒に通院して頂けませんか」

『断る』・・・「金銭はいただけないんです。お気持ちだけありがたく頂戴します」

『承認する』・・・「Aさんは本当にご家族を大切に思っていらっしゃるんですね」

『感謝する』・・・「手伝っていただいてありがとうございます」

『受容する』・・・「お酒が止められなかったんですね」

『共感する』・・・「とてもお辛かったですね」

『呼びかける』・・・「○○さん!聞こえますか!?大丈夫ですか!?」

『行動を説明する』・・・「車いすが後ろに動きますね」「お布団を取らせていただきますがよろしいですか」

『想起させる』・・・「鍵はどちらでしたっけ」「もう12月で今年もあと1か月ですね」

『世間話をする』・・・「私、昨日湯たんぽ出したんですよ」


普段の介護現場で私たちは色々な“声”を利用者さんに“掛け”ています。思い起してこれくらいでしょうか。他にもあれば教えてください。


さて、これらは“声”を“かける”という事実を介護職側を主語にして列挙したものです。
そして、私たち介護職がかけるこれらの声には三つの性質が共有されており、時と文脈に応じて、その性質のそれぞれの濃淡が変化すると私は考えます。

その三つは『ラポール形成的性質』『アセスメント的性質』『自立支援的性質』です。

例えば、『挨拶』という声をかけることは、ラポール形成的性質が最も大きいと考えられますが、挨拶を通じて普段との違いを感じ読み取るアセスメント的性質も含んでいます。もちろん、人と人が向き合い挨拶をかわすということは何より当たり前の日常生活を営むという自立支援の第一歩という性質もあります。

他には『想起させる』という声をかけることは、例えば認知症の方の症状に働きかける自立支援的ケアの要素が大きく、それによって想起が可能かどうかはアセスメントの対象となります。もちろん、そうして日常生活の支障を紡ぐ伴走者になる介護職との間にラポールを形成する声にもなり得るでしょう。



介護現場で私たちが普段利用者さんに“かけて”いる“声”の実際と、それらが共有する三つの性質を考えてみました。

ここで、介護保険や、介護福祉士が大切にしている理念を思い起すとそれは『日常生活における自立支援』です。
この大望のために、私たちはまずラポール形成を行い、科学的な介護を利用者さんと一緒につくっていくわけです。
ですから、私たちが利用者さんに“かけて”いる“声”の最終の目的は『日常生活における自立支援』にあるといえます。


これらを踏まえて介護における『声かけ』を自分の言葉で定義してみたいと思います。

『介護における『声かけ』とは、介護職から利用者さんにかける言葉のうち、その人の日常生活の自立を支援するために、ラポール形成や科学的介護を提供するのに必要なものの総称』



ん〜、とりあえず、何が言いたいかというと、声かけって「行動を説明する」という一般的に介護業界で通念になっているものだけではない。
そして声かけには三つの性質が濃淡色々で存在しているわけで、最終的には日常生活の自立支援のためにかけられている言葉であれば全部そうなのではないか、と思うわけです。


では『声かけ』と『コミュニケーション』では何が違うのかというと、前者は『介護職→利用者さん』であり、後者は『介護職⇔利用者さん』です。なので『声かけ』は『コミュニケーション』に内包される概念なのかと思います。
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