癒し系介護ロボットが普及しない要因

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癒し系介護ロボットが普及しない要因

2014年9月21日


超高齢社会の日本では、高齢者や要介護者をターゲットに様々な業種が参入を試みてます。
そのうちの一つで、介護ロボットを重要な成長産業として政府は位置付けているようです。

しかし、介護現場にいる私たちはこうした介護ロボットというものに違和感なり拒否感なりを少なからず抱いてしまいます。
このような介護現場職の拒否反応は、介護ロボットが現場に普及することを阻んでいる壁の一つと言っても過言ではありません。

さて、今日は介護ロボットの中でもパロに代表されるような”癒し系の介護ロボット”について考えてみたいと思います。


私もこれまでの現場経験の中で、利用者さん向けに癒し系介護ロボットを試してもらいたい、という業者さんやメーカーさん、学生さんと出会い、立ち会ったことが何度かあります。

愛らしいぬいぐるみ型のロボットや、子供を模したロボット、人の声やタッチに反応して応答してくれるコミュニケーションロボットなど様々です。

肝心の利用者さんの反応はまちまちです。

鼻で笑う方、バカにするな!と怒る方、喜んで撫でたり話しかける方、最初は可愛がっていても次第に飽きる方などなど。

癒し系介護ロボットに共通するのは「介護職の導入、そそり、継続」が必要不可欠であるということです。
癒し系介護ロボットは、最初は皆関心を持って利用者さんに勧めたり、一緒に可愛がったりします。これは物珍しいからです。
しかし、次第に飽きるのです。
これは利用者さんが飽きる以上に、介護職が飽きるという気がしてなりません。

最悪の場合、利用者さんの”おもり”をするという位置づけになる癒し系介護ロボットもいたりします。


癒し系介護ロボットが普及しない大きな要因の一つ、冒頭に書いた「介護現場の拒否反応」はここにあると考えます。

つまり、癒し系介護ロボットを導入する介護職自身が、これを使って利用者さんをケアするという自覚が持てないということです。
利用者さんのケアのために意図的に使うツールとして癒し系介護ロボットが使われないために、物珍しさ→飽きる→おもり、という構図になり下がってしまうのです。

また、そもそもロボットとは人間の利便性のために存在する意義があると一般的には思われている(と私は思う)ので、結局、利用者さんの利便性ではなく、介護職の利便性のために使われるというバイアスがあるように感じるのです。


ところで、こうした癒し系介護ロボット。日本の高い技術を評価した海外の介護施設が、癒し系介護ロボットが認知症高齢者のケアに与えるエビデンスを構築している、というニュースを以前目にしました。
日本の技術が”洋魂和才”になって逆輸入される日も遠くないとか。
その時はじめて、日本の介護職は癒し系介護ロボットを海外から入ってきたありがたいものと受け取り、ケアのツールとして積極的に使うかもしれませんね。

嫌ですね。「癒し系介護ロボットケアインストラクター講座」とかに、日本人介護職が喜んで研修費を払う絵が。



さて、私が考える癒し系介護ロボットが普及しない一番の要因は実は別にあると考えています。

それは「癒し系介護ロボットが、利用者が主体的に入手するものではなく、介護職が買い与えるもの」と化しているということです。

癒し系介護ロボットは高齢者をバカにしているとか、ロボットに癒しはできない、ロボットではなく人との触れ合いを求めている、という現場の声が時々聞かれます。
一理ありますが、それこそ高齢者をバカにしているのではないでしょうか?

そもそも、癒してくれる対象は他人から与えられるものではないはずです。本人が体験したりする事象から本人が癒しを得るのです。

私たち現役世代だって、ロボットの犬を飼ったり、ネットでアイドルの等身大写真がプリントされた抱き枕を買ったり色々するわけです。自分の癒しを求めて。

ところが超高齢社会の要介護高齢者は、癒し系介護ロボットで癒されてほしい、穏やかになってほしい、落ち着いてほしい!などという介護職の願いによって与えられるものになっていないでしょうか?
押し付けられた癒しは本当に本人を癒すでしょうか?

バカにしてる?ニーズがない?

実際には独居の利用者さんが、犬のぬいぐるみを大事にしたり、子供の人形と一緒に寝てたりしています。

それは「昔可愛がっていたワンちゃんの面影」だったり「忙しくも充実していた頃の子育てを想起」させたり、単に「表情が愛くるしい」というご本人の主観に基づいたものとして存在しているからです。
そりゃぁ誰かと一緒にいられたり交流できることが一番かもしれません。
でも、配偶者が亡くなってそれが望めない方だったりがいらっしゃるわけです。その心の隙間を埋めてくれる、ご本人の主観に基づいき、その想いが投影されたものが、たまたま昔から家にあった犬のぬいぐるみだったり、孫が置いて行った子供の人形だったりするわけです。


だから、本来ならば、子育てが終わって子供たちがな独立していった後の中高年夫婦がチワワやトイプードルを飼うように、利用者さんが自ら自分が「可愛い!」「○○に似てる!」「懐かしい!」と主観を投影できる癒し系介護ロボットを自ら見て、手に取って、選んで、入手しなくてはならないのではないでしょうか?

その時、癒し系介護ロボットははじめて人を癒すロボットになり得ると思います。


高齢者になり、独りになり、認知症になった時に、他人から善かれと思って買い与えられたものは、永久に癒し系介護ロボットにはなり得ないと思います。
ご本人が大切している癒し系介護ロボットであればこそ、私たち介護職も大切にできるのではないでしょうか。


私が独居高齢者になった時に癒してくれるのは、アザラシ型の応答をしてくれるロボットではなくて、無口で動かないミッキーマウスのぬいぐるみだと思います。
癒しってそういうものでは?

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Category コラム

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