世界のヘルパーさんと日本のヘルパーさんの証言

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世界のヘルパーさんと日本のヘルパーさんの証言

2015年9月5日

本日は私が主催してます東京都介護福祉士会、文京ブロックの定例会にて、ホームヘルパーの藤原るかさんをお招きしてご講演をお願いしました。

藤原さんは世界十数ヶ国の現場ヘルパーさんに会いに行く「世界のヘルパーさんに会う旅」という活動を続けていらっしゃいます。
今回はその世界で出会ったヘルパーさんたちの言葉や体験をもとに講演頂いたことを実況としてまとめた言葉をブログに転載する形の記事です。



【韓国】
韓国のヘルパー。一年間で40万人ヘルパーさん養成。1000箇所で。
家族介護者にも資格を取らせて事業所登録することで4分の1の賃金を得る。
家族介護者の孤立を防ぐ目的。
日本は女性の家族を介護に縛り付けるから反対!!と、家族手当は見送られている。
韓国、1時間情緒的ケアを認めさせるデモが起きた。
デイサービス朝の8時から夜の10時まであった。(当時)韓国のヘルパーさんも中高年齢層が多かった。


【台湾】
2013年。介護保険制度前夜の台湾。医療系の力が大きい。初めから喀痰吸引など勉強。
アジア(ソウル、東京、台北、フィリピン)の賃金比較。
韓国は1訪問4時間が単位。短時間訪問はない。(2012年作成)
日本は移動、待機時間を入れ込むと最低賃金を割り込むことも。。。)


【イギリス】
イギリス。2010年。ケアラーズ(家族会)の世界会議行ってきました。
会議のテーマ「どんなに良いケアをしても世界の裏側には伝わらないよ」発信をしましょう!
家族介護者に支援がないといけない。介護者への支援の重要性は国際的共通事項だった。
イギリスのヘルパーさんたちがストライキを起こした情報があった。
二人一組で訪問するか。1人が現場、もう1人がストライキに参加した。
大変な労働という認識があり、バケーションや休暇がしっかり確保されていて離職も低い。
医療的ケアは今後の課題。(2010年時点)
ヘルパーさんはバッチと手帳(身分証明書)を持っている。犯罪歴がある人はヘルパーになれない。

2013年のG8認知症サミットへ。
イギリスの認知症アドバイザーは法学や心理学を学んだ人でないとなれない。彼らの仕事は「認知症の人を変えるのではなく。周りの人をどう変えるかを話しに行く仕事です」とのこと。
認知症アドバイザーは本人に1人、家族に1人ついている。
集合住宅での認知症カフェ。歌で自己紹介。ここは特別な場ではない。アドバイザーはいなくて認知症サポーターの人が次々訪れていた。
ロンドンのヘルパーさんは15分間隔で動いていて、移民が多くて質にバラツキが多い。それを利用者に伝えなければいけない。(認知症アドバイザーさん談)


【ドイツ】
ドイツ。日本が介護保険制度を学んだ国。
ドイツのヘルパーは生活援助をしていない、と(国から)聞いていたが、本当か知りたかった。
余談〜〜
世界のヘルパーさんに会いに行くたびに日本で介護の仕事を辞めなければ行けなかった。
視察や勉強するために、学ぶために仕事を辞めなければいけない日本の介護現場。
ドイツでは生活援助やっていました!!
ヘルパーさんの収入月額36万円。調べた中では一番高い。
ヘルパーも看護師もほぼ同等。
見学したALSの方についていたのはイタリアのヘルパーさん。外国人介護職。
ヘルパーの基礎資格の上に色々な上級資格がある。
ドイツは家族主義的な国なのでヘルパーを使うことを家族で話し合って、家族が勧めることが多い。
ドイツ、スペイン、ポルトガル、ギリシャ、韓国などは家族主義的(保守的)な印象を受ける。


【オランダ】
オランダ。
介護度的なものが10ランクある。最重度だと54万円の費用補償。
バイキングの子孫で体格が大きい方が多い。だからリフトが普通に使われている。
安否確認の立ち寄りが認められている。
ヘルパーと上司の立場がとても平等と感じた。
自転車での訪問。自転車専用道路があって社会的なハード面がある。
(日本のヘルパーさんの方が自転車技術は上だ(笑))
オランダの施設見学。施設内にコンビニがある。アンケートトップで作った。


【ベルギー】
ベルギー。ツテがなかったので大使館に直接申し込み。大使館の配慮でベルギー一番大きい事業所いけた。
赤ちゃんからお年寄りまでヘルパーを使っている。ヘルパーを宣伝しなくても国民生活に定着している。
認知症の方へのヘルパーは割増料金なので、それを利用者に説明することが困っている。
国を挙げて説明啓発をしている。
各国の言語に応じたヘルパーチームが補償されている。

【フランス】
フランス。介護の国家資格がある国は少ない。フランスは国家資格がある国。
見学の事業所。亡くなった利用者が感謝していた。写真が事業所に掲げられていた。


【デンマーク】
デンマーク。
ケア付き住宅や自転車訪問のヘルパーさん見学。ヘルパー欠員のゆるい感じの応援。
短時間の巡回型の訪問になっている。ステーションのリーダーは看護師。
ストッキングを履かせる介助が遅いヘルパーさんが辞めろと言われた辛い体験を語ってくれた。労働組合で闘っている。
日本からの視察も多く、デンマークを倣おうとしているのかな?


【スウェーデン】
スウェーデン。みんな公務員。高負担高福祉。
応援スタッフが充実していて、欠員や足りない現場に次々派遣できる人員的な余裕がありそうだった。
中学卒業時に進路を決める。学力で分けられてしまうため、現場志向、アカデミック志向を後から選べない。学歴により差別を受けたという聞き取り。
平和そうなスウェーデンイメージ。そうでもない面もあると感じた。
犬猫がグループホームにあり、好きな人嫌いな人がケアとして動物との関わりの有無が考えられている。
2003年。ヘルパーさん賃金は月額約34万円。


【オーストラリア】
オーストラリア。2004年。
民間と日本の社協のような事業所のヘルパーさんに会った。
オーストラリアはイギリス領だったので10時と15時のティータイムの休憩がある。
医者が蛇口をひねる利用者の力などを把握している。医者が老年学の専門で、ヘルパーさんたちは安心できる。
公的にヘルパーの訪問の上限がある程度決まっており、一定以上だと施設入所ということがあるそうな。
家事援助が多い。
アイロンがビシバシかけられると賃金が上がっていく。。。などの報酬体系。
私たちの仕事は愛情ではなく、愛だ!(豪州ヘルパー談)
施設的な入所は待機はない。必要があれば入れる。土地が広大だから十分できるようだ。
イギリスは100ヶ国語、オーストラリアは64ヶ国語の言語に対応できる。
色々な文化の利用者に対応できるような勉強している。ヘルパーそれぞれの国文化の料理をヘルパー同士で食べ合う。学ぶ。
日本のホームヘルプを考える上で、外国人ヘルパー、その人の国文化の介護を受ける権利を保障するという取り組み。


【イタリア】
イタリア。人手が不足している。NPOや協同組合などが主体であることが多い。
事業継続が不安である。という経営者の話。他の国とは少し異なる印象。
ヘルパー養成が1000時間。孤立と孤独の解消のために派遣している。
3分の1が移民、3分の1は軽微な犯罪からの更生、社会復帰として、3分の1はイタリア人。犯罪歴がある人は施設では働けるが、在宅では働けない。やはり在宅の領域では家に犯罪歴がある人を入れることはない。


【まとめ】
オランダでは90歳以上の方はほぼなんらかのサービスを使っている。
日本はそうした調査が遅れている。
「生活の質」をサポートしていく日本の制度は遅れているのかな。
次はカナダに行く。
日本のヘルパーさんの直行直帰が世界では無いので、説明が難しい。事業所に寄らないことはスタンダードではない。


日本のヘルパーは専門性があっても制度に縛られて出来ないことがある。
日本のヘルパーは、本人の意志を聴きながら一緒に生活を作り上げていくというところは日本は優れていると思う。
海外ではそのような視点は少ないかも。しかし、環境を整えるという視点や行動は海外はすごい。また、認知症の方への五感へのアプローチをするための環境整備など、進んでいる。ハード面をよく先進的に整えている。
日本ではそういう研究は進んでいるが、実際の現場に取り入れられていることは少ない気がする。


【参加者との意見交換】
様々な国を見た中で日本のホームヘルパーはやはり、待遇としては一番低いという感覚があります。海外を見ればみるほどホームヘルパーは安上がりでいこうという制度設計が見える。ボランティアにまでやらせようとしているわけだし。
介護に国家資格を与える日本とはなんだ?どんな教育しているのだ?というアメリカでのリアクション。
移民などが行うことが普通な介護に国家資格を与える日本が注目されている。
介護福祉士という資格。
日本では対象者別に制度設計がなっていることが海外では理解を得るのが難しい。
中国では日本の介護技術は素晴らしい。日本のホスピタリティを学びたいという意欲。
海外、特にアジアは日本をよく学んでいる。
韓国などはITが進んでいて、タブレットの導入、アセスメントがダイレクトにできて発信される仕組みなど、導入が早い。

参加者との意見交換。
最近の映画の傾向として、認知症や家族を取り上げるものは増えた。
その中で、日本である姥捨山という概念は海外にはあるのか?
→アジア圏でありそうな気がする。欧州やオーストラリアでは自宅か施設かのボーダーがない。日本のように持ち家文化ではないので、集合住宅や引越しが文化としてあり、姥捨山という感じは少ない。
人権感覚は欧州圏には多くて、介護を受ける権利意識が高い。
介護の専門性について、海外のヘルパーの方々は介護の専門職としての自覚があるのか?
→やはり、ヘルパーは世界的には相対的に低い待遇。だからこそ発信に力をいれている。学校の単位として科したりしている。官民一体的に発信啓発に力をいれている。日本は遅い。
日本はボランティアでもできるという位置づけを脱却できていない。
それはソーシャルワークという概念が日本で広がっていないからではないか。日本では介護の専門性が認められていないし発信されていない。
今回の法改正は残念である。(るかさん)
訪問介護はこれまで予防の部分を多く担ってきたはずなのに。



【編集後記】
今回、藤原さんの話を聞き、海外の様々なヘルパーさんの現場を垣間見ることができました。
ワイドショーなどで大切な税金が無駄に使われる話などを見聞きすると、「もっと介護現場に予算があれば、と悔しくなる」と藤原さん。

ホームヘルパーの仕事に情熱を燃やし、その専門性を信じ、そして世界で国内で学び、行動し、発信しようとされる姿に大変刺激を受けました。

これからの夢をうかがうと、ホームヘルパーの現場を伝えるための映画を作りたい!とおっしゃった藤原さん。
私の母と同い年の彼女から、介護の専門職(藤原さんはホームヘルパーという名称に誇りを持たれてます)としての絶えることのない情熱を感じました。

そして彼女の発言からは、常に現場の介護職と、何よりも利用者さんの姿が必ず存在しています。
これこそまさに、私たち福祉職の存在意義たる『代弁』ではないでしょうか。

同じ介護職として藤原るかさんの活動と情熱に感謝と深い敬意を表します。
そんな藤原さんですは「自分はまだまだ業界では未熟者。諸先輩たちや利用者さんたちから学ばせて頂いている」との言葉に、さらにまた学ばせて頂くことになりました。



日本に家庭奉仕員として誕生したホームヘルパーが連綿と受け継いぎ改善してきた介護実践。
私たち次の世代がまた次の時代に実践を通じて受け継いでいかなければならないと感じました。

藤原るかさん、ご参加頂きました皆さま、本当に有意義な時間をありがとうございました!


今後も職能団体として、東京都介護福祉士会、文京ブロックの活動を継続してまいります。


※藤原さんのご報告は2000年初期から現在まで続けていらっしゃる「世界のヘルパーさんと出会う旅」の活動から、海外の現場のヘルパーさんたちからの交流、聞き取りから得られたものであり、その当時の証言ですので、制度含め様々なことが現在継続していることとは限りませんので、その点はご了承ください。

藤原るかさん著者
『介護ヘルパーは見た』(幻冬舎)
http://www.amazon.co.jp/介護ヘルパーは見た-幻冬舎新書-藤原-るか/dp/4344982835



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