ユニットケアは個別ケアじゃありません

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ユニットケアは個別ケアじゃありません

先日、同業種の知人が「今度うちの特養ユニットケアになるんだよね。ちょっと遅れてるけどこれで個別ケアができるよ」と言っていました。

私は特養のユニットケアというものは実物を見たことがありませんので、学校で勉強したものや、グループホームのような状態を想像して話を聞いていました。

しかし、ユニットケアで個別ケアができる!というその根拠がよく理解できなかったのでこう聞きました。



「何でユニットケアだと個別ケアができるの?」



するとその人は言いました。



「だって今まで大広間に集めて放置されていたけど、ユニットで顔なじみのスタッフや利用者に囲まれて落ち着いた生活ができるでしょ?スタッフと利用者の距離も縮まって、今までバタバタして関われなかった一人一人の声に耳を傾けられるじゃん!」




ん〜〜〜〜〜(あまり納得がいかない私・・・)





そもそも、ハードを小規模ユニットに分けると、すぐにそういうことが可能になり、それぞれの個別ケアができるのだろうか???


いえ、施設系はほとんど経験無いので偉そうなことは言えないのですが、そもそも『個別ケア』というものをどう捉えているのか?というところが抜けているような気がして聞いてみました。





「ねぇねぇ、そもそも個別ケアってどんなケア?」





「え!?個別ケア??・・・・ん〜、職員と利用者の距離が縮まって、相手のニーズとか情報を知る機会が増えるじゃない?それで、利用者のニーズや苦情とかに対応しやすかったり、目が行き届くから安全なんじゃないかな?」とのお返事でした。





私はこの言葉を聴いて「あぁ、多くの施設職員が思っていることで、既存の特養をユニットケアにすることの最大の利点は『目が行き届きやすい』ことなんだなぁ」と感じました。


※もちろんこの知人の意見がそのまま全施設職員さんに当てはまるとは言いませんが、普段の業務に追われている職員が、少人数になるということは、それだけリスク分散の意味合いが強いと思って、だから個別ケアができると思い込んでいるのだと感じました!




私の考える『個別ケア』をまとめると下記のようになります。

【その人の成育歴や個人史から、その人特有の『発達課題』や潜在ニーズを知り、その人の『自尊感情』が向上するような関わりを通して、その人らしいより良い“生”を過ごすために支援すること】です。
※『』内の意味は同カテゴリ『個別介護の必要性』をご覧ください。

つまり、極論的に言うとその人らしい暮らしができるような支援をすることです。



ハード的にグループ化、分散しただけでは、このような個別ケアはできないと思います。ユニットケアにしたとしても、職員が行う業務はそれほど変わらないはずです。同じ内容の業務が分散されるけれども、それを担う職員も分担されるのでやる量は変わらないのでしょうか?
少人数を“管理する”ことがユニットケアならば、そんなケアはしないほうがよいでしょう。





大切なのは「なぜ個別ケアをするのか?」です。


目的が不確定なままでハードだけ変えても、何も変わりません。そこで働く職員一人一人が、利用者一人一人に対する個別ケアの意義を自覚し、それに取り組むことを良しとしなければ結局、集団放置ケアと変わらないのです。




うちのデイサービスは小規模で多くても利用者13人程度にスタッフ4人です。しかし、人数が少なければ個別ケアができるというわけではありません。

利用者一人一人のニーズや情報を得るために、必要に応じて職員と利用者が1対1でゆっくりと時間を取ってお話することをやっています。もちろんその間、他の職員には負担がまわります。

しかし、それでもそういった時間を大事にしているのです。それは、その時間が必要だという認識があるからです。そういう時間が個別ケアに必要だと全員が自覚しているからです。

そこから得た情報から、その利用者らしい“生”を支援するのです。こうして私たちは個別ケアを実践しています。

個別ケアをすることの目的を持った介護でなければなりません。




集団ケアからユニットケアに変わると、どうしても個別ケアを実践しているかのような錯覚に陥ります。ハードを個別ケアしやすいものにしたとしても、結局利用者に関わる職員が個別ケアの意味と目的を理解し、実践しなくては意味がありません。

ユニットケアにおいて、本当に利用者のための個別ケアが実践されるために、今一度自分たちのケアの意味と目的について考えてみたいものです。





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この記事へのコメント
以前に特養の面接をした時に副施設長が言っていたのを思い出しました                今特養の施設を建てるにはユニットではないと国が認めてくれないと                 国は何を求めているんでしょうか ブログを読んで疑問に思いました                 個別ケアに対する考えはあたしときんさん方向は同じようです
Posted by ヒイ at 2007年12月23日 22:56
ヒイさんコメントありがとうございます!
そういえば、新規設立特養はユニットじゃなきゃいけないという話でしたね。忘れてました(笑)
行政はあくまで制度をつくり、制度の枠組みで動きますよね。だから、彼らに対して真に必要な制度や、個別ケアを実践できるための枠組みを提案していけるのは私たち現場の人間だけなんですよね!臨床から利用者のためのケアを声高に叫んでいきましょう♪
Posted by kinsan at 2007年12月24日 07:22
まず、個別ケアとはなにか?という質問に関しては「自立支援」ということば以外に何もないと思います。その方にそったケアという言葉はとても聞こえは良いですが、目的意識が抽象的で、結局利用者の幸せにつながらないケースが多々あります。僕ら介護士の仕事は、専門性。すなわち「生活リハビリの専門家」としての知識を存分に生かして、今目の前にいる利用者のできることを大いに増やしてあげること。すなわち、いままで失ってきた、行動を取り戻し、生を取り戻すことこそが、本来の個別ケアではないでしょうか。
介護が目指している個別ケアとはもっと崇高なものであると思います。
できることが増えるからこそ、生の価値も増える。
「受容」という言葉でいつまでも介護士は逃げていてはだめです。
今こそ。介護士は、医療のあきらめた、利用者に社会性を取り戻すべく専門性を生かしていかなければならないのです。
強い気持ちを持ちましょう。
認知症は治る。
ADLは僕らのがんばりでよみがえると信じましょう。
Posted by タニー at 2013年09月21日 21:16
タニーさん、コメントありがとうございます。

6年ほど前に書いた記事ですね。久しぶりに自分で読み返しました。なんとも恥ずかしい稚拙な内容の記事です。自分でも成長したなぁと思えるくらいです。。。再び日の目を見ることができて感謝です。

さて、個別ケアとは何か?今私が答えるとしたら・・・

一言でまとめるならば『介護過程』に集約されると思います。

それまでの個人史をベースに、現在の生活課題を解決し、ニーズの充足を測るため、アセスメントし、計画し、実践しモニタリングするプロセス。と言えると思います。

タニーさんのコメントで気になることが2点あります。

一つは、介護士は生活リハビリの専門家、という表現。
確かにADLの向上という側面から、QOLは向上しますし、生活の中でリハビリテーションを行い、社会性を取り戻していくことは介護の専門性の一側面と言えます。本家はリハ職です。この一側面で個別ケアではないと思います。また、個別ケア=介護の専売特許でもないですし。

もう一つは、認知症は治る。
この表現はとても誤解をうみます。
認知症は治りません。BPSDが収まるという程度ならばわかりますが。
治るものでしたら認知症ではありません。

と思う次第です。
Posted by kinsan at 2013年09月22日 22:33
http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/kentou/15kourei/3b.html

歴史も知ってると、いいかも。
Posted by はやと at 2014年05月24日 09:13
はやとさん、リンクを教えていただきありがとうございました。お礼のコメントを自分で承認し忘れて、日が経ってしまいました。ごめんなさい。
Posted by kinsan at 2014年06月07日 10:20
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